脇田兼則を徹底考察!“ラム濃厚”である理由と、新一を調査する動機とは?【名探偵コナン考察】




脇田兼則の正体はラム?

では、最も気になるトピックであろう「脇田はラムなのか?」を考察します。

結論としては、“ラム候補トリオ”の中ではラム濃厚。根拠を話していきますね。

 

 根拠① 若狭留美のアナグラムを解読している

脇田「こいつァトンチが…利いてるねぇ…」
(名探偵コナン92巻より引用)

脇田は若狭の掲載されている記事を読み、「トンチが利いてる」と発言。これは「言葉遊びが利いている」という意味なので、若狭留美の名前に隠されたアナグラムを解読できているとわかります。

 

そして、瞬時にアナグラムを解読できるのは、以下のパターンのみ。

  • 組織の幹部(若狭留美を IM KARASUMA と解釈)
  • 烏丸と近しい人物(若狭留美を IM KARASUMA と解釈)
  • 羽田浩司事件の関係者

コナンや赤井のように「組織を追う側の人間」という可能性もありますが、コナンは若狭のアナグラムに気づいていません。

それを踏まえると、アナグラムを解読できるキャラクターの条件には、「推理力」だけでなく「羽田浩司事件または烏丸に精通していること」も必要だと考えられるため、やはり上記のどれかになるはず。

(名探偵コナン92巻より引用)

▲事実、脇田と同じくアナグラムを解読した黒田は、羽田浩司事件の関係者です。

 

また、「トンチが利いてる」という口ぶりにはどこか余裕めいたものも感じられます。

脇田が単なる組織の幹部や烏丸の関係者だったなら、ボスの名前を使ったアナグラムに緊張を走らせるはず。すぐさま若狭の正体を探りに出向いてもおかしくありません。しかし、実際にそのリアクションを見せたのは黒田でした。

この点を観察する限りでは、脇田は羽田浩司事件の関係者と考えるのが自然。現場に居合わせた浅香、羽田浩司、アマンダ・ヒューズの誰とも似つかないことを踏まえると、脇田=ラムの可能性は高そうです。

 

根拠② 片目を眼帯で隠している

灰原「ラムよ…何かの事故で目を負傷して…左右どちらかの眼球が…義眼らしいわよ…」
(名探偵コナン86巻より引用)

ラムの特徴といえば、片目が義眼であることですよね。そのため、ラム候補として登場している3人はいずれも片目を患っています。

しかし、実はその中で脇田だけが異質なポイントを持っています。

  1. 他の2人が右目を患っているのに対し、脇田が眼帯をつけているのは左目
  2. 他の2人が目をむき出しにしているのに対し、脇田は眼帯で目を周囲から隠している
①にもなんらかの意味がありそうですが(ラムの義眼が左目だと発覚し、脇田に迫っていく展開など)、特筆するべきは②。

というのも、ラムの片目が義眼だとしたら、眼帯などで覆い隠している可能性が高いのです。どういうことか説明しますね。

 

コナン世界における「義眼」とは?

大前提として、コナン世界における「義眼」とはどんなものか考えてみましょう。

この答えは簡単で、「本物の眼球と見分けがつかない器具」です。

 

灰原「この人…右目が見えてない!?」
(名探偵コナン92巻より引用)

なぜならコナンと灰原は若狭の登場当初、その右目が義眼であることに気づきませんでした。のちに義眼だと見抜けたのは、右目の見た目や動きが不審だったからではなく、若狭の行動に失明を示す点があったから。

つまり、作中における義眼とは、見た目も挙動も本物の眼球と瓜二つの器具ということ。

 

そう考えると、もし脇田がラムだった場合でも、義眼を隠すために眼帯をつける必要はないような気もします。

もし眼帯をしてなくても、見た目は本物の眼球と遜色ありませんからね。むしろ眼帯をつけることで、ラムであることを疑われるリスクすら高まりそうです。

 

ラムの目には傷跡がある

しかし、眼球とそっくりの義眼であっても、眼帯をつけるべきケースはあります。そのひとつが、脇田がラムであり、左目に傷跡がある場合。

 

そもそもラムの片目が義眼なのは、事故に巻き込まれて負傷したから。つまり、視力を失うほどの重傷を負ったということですよね。それを踏まえると、ラムの片目に傷跡がある可能性は高いです。

余談ですが、そうしたエピソードを彷彿させる描写もいくつか存在します。

例えば、赤井や沖田の“目潰し”の技。ラムは赤井務武との戦闘によって片目を失ったと考える向きもありますね。

 

そして、もし片目に傷跡がある場合、ラムは眼帯などでそれを隠そうとするはず。

むき出しのままでは、印象に残りやすい顔になってしまいますからね。隠密性を重視する組織において、そういった見た目は好ましくありません。

 

しかも、ラムが義眼であることは組織内にも出回っています。万一情報が漏れたら、片目に傷跡がある人物は真っ先に疑われてしまうため、日頃から堂々と素顔を見せているとは考えづらい。

ラムが脇田なら尚更で、組織を探っているかもしれない小五郎に接近するなら、義眼であると疑われないようにしたいところ。

 

灰原「あんな恐ろしい顔を間近で見せられて平気でいられるわけないでしょ?」
(名探偵コナン87巻より引用)

▲実際、片目に傷跡がある黒田は「あんな恐ろしい顔」と評されています。彼の場合、傷の有無より元の顔立ちのせいかもしれませんが(笑)。

 

「できもの」についての考察

一方で、脇田は眼帯の中身を聞かれたとき、「できものがある」と答えています。

コナン「ねぇ…その目どうしたの?」脇田「ひでぇでき物ができちまってよー…見てみるかい?」
(名探偵コナン92巻より引用)

ここまでの主張とは真逆の話になりますが、そもそも本当にできものがある可能性もゼロではありません。とはいえ、それでは眼帯をつけている理由がミスリードのためのご都合主義になってしまいますし、可能性としては限りなく低いです。

 

「できものを見るか?」と迫っているのは、「NO」と返ってくるのを見越した上での言動かなと。「見られても問題ない」と小五郎たちに印象づけるための巧妙なテクニックですね。

あるいは、本当に重度のできものがあるのかも。ラムのモデルになっているかもしれない伊達政宗は、幼少期に天然痘(てんねんとう)という感染症にかかって右目を失明しています。この病気は、治療後も痕が残るのが特徴です(なお、天然痘のウイルスはすでに撲滅されています)。

 

また、眼帯をする理由を「できもの」と言うのはリスクもあります。

なぜなら、いつかは眼帯を外さないといけない“タイムリミット”を設けることになるから。いくらひどいできものとはいえ、いつまでも治らないと周囲に不審がられてしまいます。

そう考えると、脇田は短期間での目的達成を目指しているのかもしれません。つまり、できものが治らなくても不自然に思われない期間内に決着をつけるということ。

 

いずれにせよ、脇田の登場は物語に時限爆弾を仕掛けたようなもの。「いつまでできもの治らないんだよ!」とツッコミが入る前に(笑)、物語に大きな動きがあると予想できます。




根拠③ 工藤新一を調査している

3つ目の根拠は、脇田が工藤新一を調査していること。

これはAPTX4869の被害者リストを持っている若狭、コナンの実力を見抜いている黒田にも言えそうなことですが、問題は「調査を始めたタイミング」です。

 

脇田は登場当初、新一を調査している素振りはありませんでした。

もし最初から新一を調査対象としていたなら、親しい間柄にある蘭へと探りを入れたり、場合によってはコナンを怪しんだりするはず。しかし、そのような描写は一切ありませんよね。

 

脇田が新一の調査を始めたのは、修学旅行編での目撃証言が出てから。「新一の生存」がスイッチとなり、調査を開始したわけです。

つまり、脇田はもともと「新一は死んでいる」と考えており、なおかつ「生きているなら調査する必要のある立場」ということ。

もし「新一は死んでいる」ではなく「新一は生死不明」という認識だったなら、目撃証言が出る前から調査しているはずですからね。

 

一方、ラムは組織のナンバー2。おそらくAPTX4869の開発にも深く関わっているので、被害者リストにも目を通しているでしょう。となると、新一を死亡したと思い込んでいた可能性は濃厚。

ラム「工藤新一の情報を要求する…Time is money!急げよバーボン」
(名探偵コナン1008話より引用)

だからこそ、ラムは「新一の生存」をスイッチに調査を開始し、安室にもメールを送っています。この「調査を始めるタイミング」が、ラムと脇田は完全に一致しているわけですね。

 

根拠④ 灰原と面識がない

4つ目の根拠は、脇田と灰原に面識がないこと。

黒田と若狭は灰原と面識があるんですよね。で、黒田は俗にいう“灰原センサー”に引っかかっておらず、若狭は引っかかりながらも信頼を獲得しています。

また、ラムは少なくとも17年前から組織に所属しているため、灰原の幼少期の顔を知っています。なので、顔を合わせたらピスコのように「灰原=シェリー」と気づくでしょう。

 

詳しくは以下の記事でも触れたので割愛しますが、灰原と面識がないことはラムの前提条件ということ。となると、ラム候補トリオの中にラムがいるとしたら、消去法で脇田かなと。

若狭留美(若狭先生)を徹底考察!正体は浅香?ラムではない根拠とは?【名探偵コナン考察】

2017年12月7日

黒田兵衛の正体を考察!ラムではない根拠と浮かび上がる公安説【名探偵コナン考察】

2017年12月20日

 

考察の結論

ということで、今回の脇田考察は一旦ここまで。結論は以下の通りです。

2 Lines Summary

  1. 脇田は組織の人間であり、小五郎の調査のために動いている
  2. 脇田はラム候補者3人の中では、最もラムに近い人物

しかしながら、脇田は公安説・安室の師匠説・ラムの影武者説などなど、他にも考察の余地があるキャラクター。映画「ゼロの執行人」を受けて「黒田=ラム」説も再燃していますので、今後もあらゆる角度から考察していきたいですね!

▼2018.5.13 ラムの影武者説を公開しました。

脇田兼則の正体はラムの影武者?「脇田=ラム」を否定する5つの理由【名探偵コナン考察】

2018年5月13日
Twitterでもショートな考察を更新中。








2 件のコメント

  • すみません、先程コメントさせていただいたものです。アドレスに間違いがあったため、再度コメントいたしました。これからも更新楽しみにしております。

  • 随分前の考察にコメント失礼します。
    競馬を知っていると、脇田の証言(万馬券についてラジオで言ってた)がおかしく聞こえます。万馬券とは、万に変わった馬券。買い方、金額など組み合わせ方がいろいろあり、そのどれもが万馬券に変わる可能性のある競馬において、「万馬券が出た」などとは言わないのです。
    当たってた馬券は確か単勝(1位だけをあてるもののこと・うろ覚えですみません)ですが、、3連単や複勝の可能性もあるんですもの。
    事前に小五郎が当たると、いろは寿司に来ることを調査、いろは寿司に潜入(ここは逆かもしれない)
    そして、競馬場までつけ、万馬券になりえる単勝をすべて買う。当たったものがわかった時点でぶつかり、万馬券となったものを落とす。
    これで行けると思います。

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    子供の頃にベルモットの変装トリックに騙されて以来、生粋のコナンファン。考察は「DEATH NOTE」などにも似た頭脳エンタメだと思います。読み物として面白くなるように「わかりやすさ」と「サプライズ」を大切にしています。本業も物書き。