脇田兼則を徹底考察!“ラム濃厚”である理由と、新一を調査する動機とは?【名探偵コナン考察】

毛利探偵事務所の隣、すし屋「米花いろは」で板前をしている脇田兼則。

「片目に眼帯をしている」という特徴と意味深な描写の数々から、ラム候補者の一人と目されている人物です。

調べてみると、ラムである可能性はそれなりに濃厚。

今回は、そんな脇田兼則を徹底考察。小五郎に近づいてきた理由や工藤新一を探る動機、若狭留美との関係についても掘り下げつつ、その目的と正体に迫ります。

 




脇田は組織の一員であり、毛利小五郎の調査をしている

さて、最初のテーマは「脇田が“いろは寿司”に現れた目的は何か?」から。

その答えは明白で、小五郎に接近するため。理由を説明していきますね。

 

根拠① 小五郎以外に興味を示していない

大前提として、「本当に推理好きの板前だった」という可能性は除外します。

それではただのギャグですし(笑)、これだけ怪しい行動を繰り返して「一般人でした」はミステリーとして禁じ手。

つまり脇田は身分を偽り、いろは寿司へと潜入してきた人物ということになります。

 

となると気になるのが、いろは寿司へと潜入する動機。

リスクを背負って潜入するくらいですから、脇田の目的はいろは寿司の周辺にあるはず。普通に考えたら「小五郎に接近するため」ですが、「小五郎の知人に接近するため」という変化球もありえます。

小五郎の知人で尚且つ組織編に絡むキャラクターというと、コナン、新一、灰原、蘭、阿笠、安室といったところでしょうか。

 

しかし、ここでポイントなのが、脇田は小五郎以外に興味を示していないということ。

蘭に話しかける描写はありますが、コナンに関しては一切なし。阿笠には工藤邸を取り囲む報道陣について尋ねただけです。

新一の調査はしているものの、それを開始したのもおそらく以下の描写の後。

黒田「工藤…」脇田「新一?」
(名探偵コナン1005話より引用)

語尾に「?」をつけているということは、これは脇田にとってイレギュラーな状況。最初から新一を調査していたなら、「手がかりを見つけて笑みを浮かべる」などの反応になっていたはず。つまり、いろは寿司に潜入した時点では、脇田は新一を疑っていなかったわけです

 

残るは安室と灰原ですが、安室を探るような描写はなく、灰原もベルモットの報告によって死んだことになっています。仮に「脇田=組織のメンバー」とした場合、ベルモットに疑いを抱いていない限り、灰原の生死を改めて調査することはないでしょう。

こうして振り返ると、脇田は小五郎以外に興味を示していないわけです。そのため脇田の動機は「小五郎に接近するため」であると考えられます。

 

ただし、灰原はジンに小五郎との関係性を疑われているのも確か。脇田が組織の人間だった場合、目的が「灰原の調査」である可能性は否定しきれません。

ジン「お前とシェリーの関係だ…お前が仕掛けた発信器と盗聴器…前にあの女に仕掛けられた物とよく似ている…偶然だとは言わせねえぜ…」
(名探偵コナン49巻より引用)

とはいえ、それは「小五郎の調査」も兼ねた目的。いずれにせよ脇田の目的は「小五郎に接近するため」と言えるのではないでしょうか。

 

根拠② 脇田=いろは寿司、若狭=米花小学校、黒田=警視庁の意味

また、メタ的な根拠をもうひとつ。

ラム編になって登場した“ラム候補三人衆”とも呼ぶべき脇田兼則、若狭留美、黒田兵衛。彼らの現在の職業は、目的と紐づけられたものになっています。

たとえば「若狭=米花小学校=コナン」、「脇田=いろは寿司=小五郎」といった具合に、潜入先の周辺にそれぞれのターゲットがいるわけです。

 

まあ、それもそのはずで、彼らはおそらく全員とも身分を偽っています。

少なくとも、新一を嗅ぎ回っている脇田は板前ではありませんし、APTX4869の被害者リストを持っている若狭も教師ではないでしょう。そのままの身分でも矛盾しないのは黒田くらい。

そして、身分を偽ってどこかの組織に所属する、というのはそれなりにリスキーな選択です。最悪の場合、ボロを出して警察からマークされる危険性もあります。

そんなリスクを背負ってまで潜入しているわけですから、潜入先にも明確な意味があるのは当然ですよね。

 

馬券を仕込んだのは脇田?

さて、脇田の目的が小五郎への接近だとすると、きな臭い点がひとつ。それは、なぜ小五郎の馬券は都合よく当たったのか、ということです。

そもそも小五郎は、競馬などで大金を入手したときしかいろは寿司に来ません。つまり、脇田からすれば、競馬を当ててくれないと(大金を手に入れてくれないと)小五郎と接触できないわけです。

 

脇田「隣に住んでる毛利小五郎は大の競馬好きで…この店には競馬で当てた時にしか来ねぇってウチの大将が言ってやしたし…」
(名探偵コナン92巻より引用)

そして、こうした小五郎の行動パターンを脇田も把握しています。

この回は、最終的に馬券の持ち主は見つかることなく幕を閉じています。つまり、馬券を拾ったのは完全なる偶然、という落としどころ。これは脇田にとって好都合すぎる展開です。

おそらく脇田は、自ら万馬券を小五郎に仕込み、いろは寿司に来るきっかけを作ったのではないでしょうか。

 

さらに脇田は、小五郎に事件現場へと同行させてもらえないか打診しています。

脇田「事件の現場ってーのに連れてってくれたら…大サービスしやすんですがねぇ…」
(名探偵コナン92巻より引用)

これは、単に関係性を近づけるだけでなく、「眠りの小五郎」のカラクリを暴こうとしているからでしょう。

というのも、普段の小五郎の性格はちゃらんぽらんすぎるので(笑)、周囲から見たら普段の小五郎=実力を隠すための演技」「眠りの小五郎=真の小五郎って図式に映るわけですよ。

 

つまり、脇田からしたら以下のような思考になります。

  1. 事件現場以外で小五郎と親睦を深めても、それは仮初めの姿
  2. 真の実力を測るには、事件現場に同行しなければならない

完全に見込み違いですけど(笑)。実際にはこの場で事件が起こったので、実力を測る機会ができましたね。

 

脇田が小五郎に接近する動機

では、脇田の狙いが小五郎だったとして、接近する動機はなんでしょう。

これについては、「脇田が組織の人間で、小五郎を疑っているから」だと思われます。

 

根拠① 小五郎に近づく動機があるのは黒の組織だけ

そもそも小五郎に接近する動機って、かなり限られるんですよ。

たとえば「ただのファンでした」「依頼人でした」という可能性は、組織編においてはありえませんよね。それなら身分を偽ってまで近づく必要もないですし。

脇田が組織編の登場人物であることを踏まえると、小五郎に接近する理由も組織絡みでないと成立しません。

 

でも、小五郎って組織の存在すら知らないので、組織編との接点はほとんどないんです。

そんな限られた選択肢の中で唯一、小五郎に接近する動機があるのは黒の組織だけ。

 

ジン「あてなんざいくらでも転がってるぜ…俺はまだ毛利小五郎を完全なシロだとは思ってねぇしな…」
(名探偵コナン49巻より引用)

▲小五郎は、ジンとキールに仕掛けられた発信機の類似性から、灰原との繋がりを疑われています。安室が小五郎に近づいたのも、灰原について探るためでした。

ジン「それより気がかりなのは眠りの小五郎だ…今朝のその事件…奴がまた一枚噛んでたらしいじゃねぇか…」
(名探偵コナン90巻より引用)

▲さらにジンは90巻で、再び小五郎を疑っています。脇田の初登場は92巻のため、タイミングもドンピシャ

ジンは組織への忠誠・灰原への執着ともに強い人物。疑っている対象を野放しにするわけもないので、組織は小五郎の調査に動いていると思われます。少なくとも、あえてこの描写を入れたのは、作者からの「組織は小五郎を疑っているよ」というアナウンス。

 

黒の組織以外の勢力だと、公安はすでに安室が小五郎と接触しているからありえませんし、FBIやCIAならコナンのことを知っているため「眠りの小五郎」のカラクリにも気づくはず。

登場をほのめかされているMI6にしても、あえて小五郎を探る動機はないでしょう。そもそも「MI6=領域外の妹」なので、この場合も「コナンの能力の高さを知っている=小五郎の能力の低さを知っている」という方程式が成り立ち、小五郎を探る動機は消滅します。

 

全く想定外の動機という可能性もありますが、現時点では消去法で「脇田は組織の人間であり、小五郎の調査のために動いている」という結論になるわけです。

 

根拠② 安室は組織から完全に信用されていない

先ほど「公安はすでに安室が小五郎と接触しているからありえない」と書きましたが、「いやいや、それなら組織もバーボンを送り込んでるじゃん!」と思った人もいるのではないでしょうか。

ですが、公安にとっての「降谷零」と組織にとっての「バーボン」では、信用度がまるで違います。

 

というのも、安室は劇場版「純黒の悪夢」で、ジンにスパイであることを疑われていますよね。映画を原作と紐づけるのには賛否両論ありますが、少なくとも原作と矛盾しないように製作されていることを前提にすると、組織の安室に対する信頼は厚くない。

むしろスパイ疑惑をかけられた事実こそが、脇田という別の刺客(あるいはラム自身)を送り込む理由にもなります。「小五郎=スパイ疑惑のある人間(安室)が自ら接近した存在となれば、怪しさ倍増ですからね。

もしかしたら脇田の目的には、安室の監視も含まれているのかもしれません。

 

▶︎次のページでは、お待ちかね「脇田兼則はラムなのか?」に迫っていきます。

Twitterでもショートな考察を更新中。








2 件のコメント

  • すみません、先程コメントさせていただいたものです。アドレスに間違いがあったため、再度コメントいたしました。これからも更新楽しみにしております。

  • 随分前の考察にコメント失礼します。
    競馬を知っていると、脇田の証言(万馬券についてラジオで言ってた)がおかしく聞こえます。万馬券とは、万に変わった馬券。買い方、金額など組み合わせ方がいろいろあり、そのどれもが万馬券に変わる可能性のある競馬において、「万馬券が出た」などとは言わないのです。
    当たってた馬券は確か単勝(1位だけをあてるもののこと・うろ覚えですみません)ですが、、3連単や複勝の可能性もあるんですもの。
    事前に小五郎が当たると、いろは寿司に来ることを調査、いろは寿司に潜入(ここは逆かもしれない)
    そして、競馬場までつけ、万馬券になりえる単勝をすべて買う。当たったものがわかった時点でぶつかり、万馬券となったものを落とす。
    これで行けると思います。

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    子供の頃にベルモットの変装トリックに騙されて以来、生粋のコナンファン。考察は「DEATH NOTE」などにも似た頭脳エンタメだと思います。読み物として面白くなるように「わかりやすさ」と「サプライズ」を大切にしています。本業も物書き。