名探偵コナン1029話「泣く子も眠る」の感想&考察です。
安室、高明、脇田という3人のキーパーソンが、新たな謎を残した回でしたね。コナンの明け透けな質問に驚いた人も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな1029話を振り返りながら、
- 高明が○○を知っていた理由
- 「せっかち」からわかるラムの正体
- 「Time is money」に隠されたもう一つの意味
- 安室の「あの行動」の意味
などなど、幅広く考察していきます。
高明が安室を知っている理由
さて、前回の記事で予想した通り、高明がテレビ電話越しに安室を発見しましたね。
高明「この後ろの金髪の男…以前どこかで…」
(名探偵コナン1029話より引用)
どうやら安室に見覚えがあるようですが、一体どこで知ったのか。
これはおそらく、高明が東都大学に通っていた頃に知ったのだと思います。
こちらも前回の記事に書きましたが、当時、景光は東京に住んでいました。兄弟仲は良好だったようなので、この期間に高明と景光が会っていた可能性は高い。
おそらく高明はその際に、なんらかの形で安室を知ったのではないでしょうか。
ただし、景光が安室を高明に紹介したわけではなさそう。もし安室を紹介されたなら、「この男どこかで…」ではなく普通に気づくはず。
また、景光の遺品が入った封筒には「0」と書かれており、高明もそれを見て「送り主は景光の親友の“ゼロ”」であることを察していました。もし景光から安室を紹介されていたなら、すでに思い出していないとおかしい。
となると、高明と安室は明確に顔見知りというわけではなく、景光と一緒にいる姿を見たとか、部屋に飾られている写真を見たとか、そんなところじゃないかなと。
景光の手紙には写真が同封されていたので、可能性が高いのは後者ですね。もしかしたら東都大学の在学中ではなく、手紙に同封された安室の写真を見ただけかもしれません。
安室のヒント「せっかち」の意味とは?
安室「ヒントとして君に言えるとしたら…その人物はとてもせっかち…って事ぐらいかな?」
(名探偵コナン1029話より引用)
続いて注目したいのが、やはりこのセリフ。これにより「脇田=ラム」の可能性はさらに高まったと思います。
まず、このヒントには2通りの解釈があります。
- 安室はラムのアナグラムのヒントを与えた
- 安室はラムの性格のヒントを与えた
①は「脇田兼則=WAKITA KANENORI=時は金なり」のヒントを与えているパターン。②は「あの方は身長居士」みたいな感じで、性格のヒントを与えているパターンですね。
結論から言うと、このセリフにはどちらの意味も込められていると思います。
「せっかち」は脇田兼則のアナグラムのヒント
まずは①「安室はラムのアナグラムのヒントを与えた」ですが、基本的にはこの解釈で正しいと思います。
なぜならヒントを出すからには、それがヒントとして機能しないと無意味だから。
②のように「ラムはせっかちな性格だよ」と伝えただけでは、同じ特徴の人はごまんといるため、ヒントとして機能しません。
一方でアナグラムのヒントなら、「せっかち」はヒントとして機能します。コナンの周囲で該当するのは脇田だけなので、きちんとヒントから答えにたどり着ける。
そして、若狭や黒田にはそれがクリアできません。
せっかちな性格かどうかで言えば、安室に報告を催促する黒田も、ドジっ子な振る舞いをしている若狭も、せっかちと言えなくはないでしょう。けれど、「だからラムだ」と言えるようなヒントにはならない。
つまり、「せっかち」がヒントとして機能するのは脇田だけ。「脇田=ラム」の可能性はさらに高まったのではないでしょうか。
「時は金なり」は組織の目的とリンクしている?
一方で、②「安室はラムの性格のヒントを与えた」という解釈も、あながち間違いではなさそう。
なぜなら「脇田=アナグラム」であり、安室もその由来を知っているとなると、ラムは偽名を使っていることになるから。当たり前のように思われるかもしれませんが、これはラムの性格を紐解く上でとても重要です。
これまでは脇田兼則のアナグラムについて、2つの解釈がありました。
- 脇田兼則をもじったアナグラム=Time is money
- Time is moneyをもじったアナグラム=脇田兼則
なにが違うかというと、前者は「脇田兼則」という人物が先にいて、そこからアナグラムを作っている。そのため、メールの「Time is money」という文章も、安室に対して「送り主は脇田だよ」と伝えるサインだったとも考えられました。
一方の後者は「Time is money」というフレーズが先にあり、そこからアナグラムを作っている。つまり、ラムにとって「Time is money」というフレーズは、偽名にするほど特殊な意味を持っていることになります。それこそ口癖や信念のような。
そして、ラムが偽名を使っているということは、正しいのは後者。
そう考えると、②「安室はラムの性格のヒントを与えた」という解釈も、そんなに的外れではないわけです。実際にラムが「Time is money」を特殊な言葉として位置づけている以上、多かれ少なかれ「せっかち」な性格なので。
どの程度せっかちなのかはさておき、時間に対する思い入れの強い人物なのは間違いありません。
ここで気になるのが「時間」というキーワード。これ、組織の目的ともリンクしているのではないでしょうか。
高飛車な女「我々は神であり悪魔でもある…なぜなら…時の流れに逆らって…死者を蘇らそうとしているのだから…」
(名探偵コナン37巻より引用)
組織の目的の一つは、時の流れに逆らって死者を蘇らせようとすること。もちろん比喩表現ですが、それでも「時間」が大きな鍵を握るのは確実。
青山先生「まぁ、世界というか、金の流れを牛耳ろうとしています」
(名探偵コナン新聞第2号より引用)
そして同時に、組織は金の流れも牛耳ろうとしています。つまり「Time is money」という言葉には、“時間”と“金”という組織の目的がどちらも含まれている。
もしかしたらラムの野望は、文字通り「時間を金に換えること」なのかもしれません。
たとえば、APTX4869を完成させ、時間を金で購入できる世界に変えようとしているとか。だとしたら、まさに人類の範疇を超えた「神でもあり悪魔でもある」行為です。
▼「金の流れを牛耳ろうとしている」についての考察はこちら
安室透の機転
また、1029話で舌を巻いたのが、安室のこのシーン。
安室「ペアを組みませんか?信用のおける人と、絶えず2人1組で動けるように…」
(名探偵コナン1029話より引用)
「脇田=ラム」と考えた場合、その狙いは小五郎を調査すること。そこで安室はペアを提案し、小五郎と脇田の距離を近づけることで、表向きは脇田をサポートしています。
ですが、本当の狙いはコナンを脇田から遠ざけること。安室自らコナンを指名したのもこのためだと思います。
つまり安室は、叩いても何も出てこない小五郎の潔白を証明しながら、コナンのことも調査の対象にならないように守っている。この鮮やかな手際は、さすがの一言。
事件についての考察
おまけみたいになってしまいましたが、最後に事件について。
前回の考察は結構当たっていましたね。ボーガンについては、身長に向きを合わせても姿勢次第で外れてしまうため、もう少し込み入った仕掛けかと思ったんですが……。
さて、だいたいツイッターに書いた通りなので、殴り書きでご容赦ください。
まずはガラスの割れたタイミング。これは西野が「何か飲み物もらっていいか?」と聞きながら荷物に手を入れた直後なので、このときに仕掛けを作動したのかなと思います。
次にタブレットを取り出すシーンですが、西野は全員に背を向けています。おそらくこのとき、西野はこっそり3箱すべてを空にした。あるいは2箱を空にし、あらかじめ用意していた空箱を紛れ込ませた(お菓子を大量に持ち込んでいるのはその布石?)。
つまり、ケースはすべて空箱だった。小五郎の「ん?」は、ケースがどれも当たりだったため、見分けられずに違和感を覚えたということです。
では、どうして空箱は「カラカラ」と音を立てているのか。
おそらくこれは、箱ではなく右手に握った別の何かから鳴っているのかなと思います。あるいは袖口に仕込んでいたか。ここも西野が大量に持ち込んだお菓子がキーになりそうです。
また、毒殺の詳しい方法はわかりませんが、毒はおそらく川崎のハンカチに仕込んだのかなと。
前回、川崎はコナンとトイレに行った際、不自然にハンカチを咥えていたので。犯人はここまで「郁絵のタブレット」「川崎のティッシュ」など、彼らの癖を利用してトリックを仕掛けているので、ハンカチについても知っていたはず。
一つ引っかかるのは、西野さん露骨に怪しすぎる(笑)。
もしかしたら誰かと共犯で、「書斎でチェンジ」のタイミングで実行犯を変更するとか……ないか(笑)。ボーガンにしても毒殺にしても、遠隔で殺せるやり方をするのは単独犯だから。複数犯ならお互いのアリバイを作るような殺し方をするはず。
それにしてもバレバレなので、どんでん返しを勘ぐってしまう次第です。
いつも楽しく拝見させて頂いております。
今回、脇田の細かな描写が気になりました。
・以前は、口を閉じていても出っ歯が出ていたはずなのに、今回時々普通の歯になっている。
・眠りの小五郎を紹介するときに、わざわざ左手を使っている。(その時右手はポケットにしまったまま)
歯についてはまだ、単行本出版時に直される可能性もありますが、、どうお考えでしょうか。
お返事めちゃくちゃ遅くなってごめんなさい!いつもご覧いただきありがとうございます。
なるほど、かなり目ざとく観察されてますね。左手を使ってることに関しては、脇田が左利きである可能性は頭に入れといたほうが良さそうです。ラムの目が務武のジークンドーによって負傷してた場合、ラムは務武の利き手側の目を負傷してると考えられます。これは直接関係ないですが、ラム編において利き手が重要になる可能性はあるかなと。
歯については作画ミスかな〜とは思いますが…どうなんでしょうね。仮に意図した描写だった場合、脇田は変装してることになりますが、歯が出たり引っ込んだりしてしまう変装ってかなり雑な気が。変装してる可能性自体は大いにあると思いますが、それと今回の描写は関係ないという見解です!
せっかちな人間の特徴として頭の回転が早く直ぐに結論を出そうとする。
そして感情的で思い立ったら即行動。イライラしてる時が多い。
黒田を前にして抑えてた本性を露にし、コナンに事件解決のヒントを与え、警察を差し置いて真っ先に歩美ちゃんを助けに行った若狭は典型的なせっかちな性格ですよね。
若狭先生は何故まだ存在しているのか疑問です。
波戸の件でベルモットとバーボンに組織は始末させようとしました。
そして若狭先生のお手柄のニュースで組織にも若狭留美という情報が入ったと思います。
でも組織が動かないのに疑問を感じています。
考えられる可能性として、
①若狭先生がラムだから。
②キャンプの事件で黒田さんと若狭先生が直接会っています。
その黒田さんはベルモットなど組織のメンバーの変装?で既に接触済もしくは黒田さんがラムで直接動いた
③若狭留美という名前はラムを追っている人間をおびき寄せる為。(黒の組織のメンバーとしての仕事)ということで若狭先生は黒の組織の人間。ただ実はNOC(MI6所属)
と考えました。
個人的には③が現実的かなと思っています。
ラムを追っている人間は赤井務武でしょうし、黒の組織としての仕事と見せかけてメアリーに協力してる?のかもしれないのかなと思ってます。
僕の考えをざっと書いてしまいましたが、何故若狭先生に対して組織は動かないのかもしくはもう動いてたなど考えを聞かせていただければ嬉しいです。
お返事遅くなってごめんなさい!ご質問ありがとうございます。
おっしゃる通り、組織が若狭に刺客を送らないのは理由があると思います。ただ、個人的にはラム=脇田が「トンチが利いてる」の時点で若狭の意図(ラムをおびき出す)を読み、簡単に食いつかないようにしてると考えてます。
私も③を考えましたが、それだとあの3人の中にラムがいないことになっちゃうんですよね。黒田は若狭の名前を聞いてわざわざ接触しにきてるし、脇田も「トンチが利いてる」という反応なので、どちらも若狭がテレビに映るまで面識はなさそうなんです。それなら若狭=ラムなのか?となりますが、コナンの正体を見抜いてることや灰原の信頼、将棋の駒を握りしめる描写からして、ラムだと色々と矛盾してしまう。
という感じなので、今はまだ動きがないけど、今後ラムから若狭に接触する回がどこかであるんじゃないかなと思います!
作画ミスかもしれませんが1029話の窓ガラスが割れる前の川崎陽介が水を飲んでいるシーンでキャップを締める時は手袋をしてて、飲んでいる時は素手でなんですよねwww
RUMは様々な人が演じてる(なりすましている)のでは?
合成の声なので「この人がRUMだ!」と断定出来ない。それを逆手にRUMを演じて(なりすまして)指示を出して情報を得たりしている組織関係者がいると思います。
現在のFBI連続〜のRUMはバーボンがRUMを演じている(なりすましている)と思います。
・敬語を使っている
・大事について
・表紙やシリーズに出ていない
今回のシリーズを読んで気になったのは、このRUMはジン達を島に閉じ込める(包囲する)のが真の目的では?
もし、9時間後(お茶会)で和解し、黒田の言う「大事の前だ」が今回の事だとするとバーボンは赤井達と協力してRUMを演じて(なりすまして)指示を出し、ジン達を騙した。FBI殺害はフリで実は死んでいない。
じゃないかなぁと推理しました。
長文、乱文すみません…