名探偵コナン警察学校編 第2話 感想&考察。降谷零の計算と、諸伏景光の“悪夢の一日”【サンデー感想】

名探偵コナン警察学校編 CASE.2「傍若無人」感想&考察です。

松田編の第2話でしたが、景光に関する重要な情報も明かされましたね。また、松田の幼少期の描写や、伊達のちょっとした仕草など、細かい伏線も光ったように思います。

ということで今回は、

  • 高明は両親の事件で景光を守った?
  • 現場写真から見える事件当日の流れ
  • 松田の利他的な信念
  • 伊達と「安室透」の類似点
  • 消えた銃弾のありか

など、5人の気になったシーンを一人ずつ考察します。

 

ネタバレ注意です! 

 

1. 諸伏景光

両親の事件が「長野一家死傷事件」だと発覚しましたね。これは重要な情報になりそう。

 

事件はやはり未解決?

景光は警察学校の資料室で、事件について調べています。おそらくは、これまでタッチできなかった警察の捜査資料を閲覧しているのではないでしょうか。

解決済みの事件をあえて調べるとは考えにくいので、やはり事件は未解決なのかなと。

こうなると、前回の記事で書いた「高明は事件の解明のために長野県警へと入り、景光もその後を追っている」という考察も現実味を帯びてきますね。

 

いずれにせよ、景光はのちに長野県警ではなく公安に配属されているため、この事件は警察学校編で解決すると思います。

ただ、警察学校というある種の閉鎖空間にいながら、事件を解決できるのかは疑問。警察関係者が犯人なら別ですが。

 

なぜ「死傷事件」なのか

また、気になったのが「死傷事件」であること。

死傷は「ある人は亡くなり、ある人は傷つく」という意味なので、両親のほかに誰かが負傷していることを示しています。つまり、景光か高明のどちらか。

 

これは高明だと思います。

ポイントは、景光の隠れていたクローゼットの隙間のサイズ。前回の描写と、今回の資料に載っていたBの写真が一致しています。つまり、扉は開閉されていないため、犯人は景光に最後まで気づいていない。

そもそも犯人と対峙したのが景光なら、子供の力で抵抗するのは難しく、犠牲になっている可能性が高いです。だとすれば、負傷したのはやはり高明。もしかしたら高明は、弟を守るために犯人へと立ち向かったのかもしれません。

補足:ただし、Bの写真は作者のミスという可能性もあります。この写真が正しければ、警察はクローゼットに隠れた景光に気づかないまま、現場を撮影したことになりますからね。その可能性もあるにはありますが、微妙なところ。 

 

現時点の情報から事件の流れを予想すると、こんな感じでしょうか。

  1. 両親がクローゼットに景光を隠す
  2. 犯人が母親を殺害する
  3. 犯人が父親と揉み合いの末、殺害する
  4. 犯人が高明を負傷させる
  5. 犯人が凶器を捨てて逃走

前回の描写からして、殺害された順番は母親→父親。父親は背中を逆手で刺されているので、おそらくは揉み合いになったところを殺害されている。現場写真に凶器が写っていることを考えると、犯人は凶器を捨てて逃走したのだと思います。

 

景光の抱える憎悪

もう一つ、資料を調べる景光の憎悪に満ちた表情も気になりました(必ずしも憎悪とは限りませんが)。これは、37巻で示された警察官の姿勢に反するもの。

高木刑事「い、いつも佐藤さんが言ってるでしょ…(中略)恐れや憎しみにとらわれずに、いかなる場合も人権を尊重して公正に警察職務を執行せよって…」
(名探偵コナン37巻より引用)

この物語が「警察学校編」であるからには、景光はこの憎悪と怨嗟を乗り越えるはず。「憎しみに囚われない」というのは名探偵コナンに一貫する哲学ですし、今後のストーリーに期待ですね。

 




2. 松田陣平

続いては、松田陣平について。前回の記事で書いた通り、松田の父親は冤罪でしたね。

 

幼少期の松田陣平

幼少期の松田が描写されましたが、顔中が傷だらけ。おそらくは犯罪者の息子として同級生から差別され、喧嘩に明け暮れていたのだと思います。

父親もまた、そんな息子の姿に胸を痛めていたのではないでしょうか。松田はそれを知っているから、降谷に「親父の事を知りもしないで」と怒ったとか。

 

松田はかつてプロボクサーを目指していた可能性もありそうです。

父親からボクシングを教わっていたのは、殺人容疑をかけられる前。逆に言えば、そのタイミングでボクシングを教わることはできなくなったため、松田は静かに夢を諦めたのかもしれません。

 

ちなみに、父親の名前は「松田丈太郎」。由来はボクサー繋がりで「あしたのジョー」の矢吹丈でしょうか。

 

加熱していたと思われるメディアの報道

また、このセリフから察するに、当時はメディアによる報道もヒートアップしていたと思われます。

景光「ああ…その事件…当時は大騒ぎだったらしいよ…」
(名探偵コナン警察学校編CASE.2より引用)

事実、新聞の画像の右上にはロゴが入っているため、おそらくは一面。親子の人権は無視され、冤罪だとわかっても差別する人間さえいたかもしれません。

 

鬼塚「ウソをつくな!! 貴様以外に誰がいる!?」松田「あん!?」
(名探偵コナン警察学校編CASE.2より引用)

鬼塚のセリフに激昂したのも、父親のときと同じ論理を押し付けられたから。疑わしい状況というだけで犯人を決めつけ、あまつさえ責め立てるのは、松田にとって許せない行為。

 

松田の極めて利他的な信念

これらの経緯を踏まえると、松田が警察官を目指したのは、正義”と呼ばれるものに疑問を持ったことがスタートだったのかなと。

松田はおそらく、世間で言われている正義を欺瞞だと考えている。だからこそ、降谷のような優等生タイプに嫌悪感を抱いているのだと思います。

 

現在は「警察官になって内側から組織を変える」とか「警察は当てにならないから、自分のような被害者を出さないために自ら警察官になる」とか、警察を嫌っているからこその正義感によって突き動かされているのではないでしょうか。

嫌いなものからは距離を置くのが一般的ですが、松田はその逆ということ。嫌いな組織に入ってでも正義を行使しようとしているなら、それは極めて利他的な行為です。松田の悲しい最期にも納得させられてしまいます。

 

3. 伊達航

伊達「まあまあ!ここは班長の自分に免じて鉾を収めてください!」
(名探偵コナン警察学校編CASE.2より引用)

今回も、教官を上手くあしらって松田をフォローする伊達。言葉と態度を巧みに使いこなす感じ、やはり「安室透」を思わせますね。

笑顔で敬礼するポーズも、安室と一致しています。こうなると、前回の記事で書いた「安室の嘘の上手さは伊達を参考にしている」という考察も間違いではないかもしれません。

 

こちらも繰り返しになりますが、萩原の「洞察力とコミュニケーション能力」とか、松田から「爆発物の処理を教わってること」とか、降谷は4人から受け継いだものを「安室透」へと落とし込んでいるように見えます。

名探偵コナンの世界には、松田や高木刑事のセリフに象徴されるように「死んだ人間のことを忘れたら、その人は本当に死んでしまう」という死生観があります。降谷零という人間は、ある意味では4人を生かし続ける存在なのかもしれませんね。

 




4. 萩原研二

萩原は今回、松田のことを「ガキの頃から分解魔」と言っていましたね。つまり、2人は幼馴染で確定。

松田が大変な時期でも、萩原だけは飄々と友達であり続けたのかなと思います。萩原はスクールカーストが高そうなので(笑)、松田の学校での立場を上手く調整してくれたり。

 

そう考えると、唯一無二の親友を奪われた松田が、あれほどまでに爆弾魔へと怒りを燃やしたのも当然。

さらに言えば、そんな萩原との約束よりも人命を優先したことに、松田の信念の強さと「お前ならわかってくれるだろ?」という萩原への信頼も感じます。

 

また、前回までは降谷のことを「降谷って奴」と呼んでいたのに、今回は「降谷ちゃん」。距離感の詰め方が、天性の人たらしって感じですね。

松田が「陣平ちゃん」と呼ばれていることを考えると、景光と伊達もちゃん付けになりそう。

 

5. 降谷零

態度こそ挑発的な降谷ですが、松田の信念と向き合おうとしていますね。今回の降谷は、彼らしい計算を感じさせるシーンもありました。

 

降谷の計算

降谷「甘いなぁ班長は…疑いを自分で晴らさせないと彼も父親のようになってしまう…」
(名探偵コナン警察学校編CASE.2より引用)

これは「安室透」を彷彿させるセリフ。相手の怒りを煽ることで本音を引き出すという手法は、キャメルに使ったものと似ています。

 

萩原「その分、メカには詳しいんだけどな!爆弾とか特に…」伊達「へ、へぇー…」
(名探偵コナン警察学校編CASE.2より引用)

勘ぐりすぎかもしれませんが、このシーンの降谷の探るような表情も気になりますね。伊達は素直な反応をしているので尚更。

降谷は松田のメカを分解する能力、さらには「爆弾」というワードに興味を持っているように見えます。もしかしたらこの時点で、爆発物の処理について教わることを狙っていたのかもしれません。

 

だとすれば、降谷は「盗めるスキルはすべて盗む」という貪欲なスタンスで警察学校に通っていた可能性も。結果として4人の能力を身につけたという流れでしょうか。

 

射撃のセンスは小五郎が上

また、射撃のセンスは小五郎のほうが上のようです。

確かに映画「14番目の標的」では、小五郎は警視庁で1、2を争うほどの射撃の名手だったと言われていましたね。警察学校編はファン向けのコンテンツだけあって、ファンサービスの盛り込み方が上手い。

鬼塚から「米花町で探偵事務所を構えている」という情報を得ているので、現在の降谷は「警察学校で聞いた射撃の天才=小五郎」だと気づいているかもしれません(笑)。

 

6. 鬼塚教官をどう助けるのか

最後に鬼塚をどう助けるかについても少し。

シンプルに考えると消えた銃弾を見つけ出し、拳銃を組み立て直して使用する流れかなと。少年漫画っぽい展開なら、命綱を撃ち落とすとか。

そうなれば、射撃を担うのは降谷ですかね。射撃が上手いという伏線も張っていますし、あくまでも降谷と松田の確執を描いたシリーズなので、可能性は高そう。

 

銃弾のありかについては、松田の「この拳銃、誰かが落としたんじゃないっスか?」というセリフがヒントだと思います。実際に、銃弾だけくすねてもあまり意味はないので、落として紛失しただけと考えるのは妥当。

たとえば、誰かが誤って拳銃を落とし、破損させた上に銃弾も紛失してしまった。それを隠すために別の拳銃から弾丸を抜き取り、破損した拳銃に装填して元の位置に戻した。松田はそれを使用したから、拳銃のシリンダーストップは壊れていたものの、全弾を撃ち尽くすことはできた。

この場合、射撃場で誰か一人、1順目に4発しか発砲していない人物がいるはず。的に空いた穴の数を見れば、その人物は特定できるかもしれません。

 

いずれにせよ、落下する鬼塚を全員で受け止める展開はありそう。5人の最初の共同作業になるのかなと思います。

 

Twitterでもショートな考察を更新中。








5 件のコメント

  • 高明がすぐに弟が公安警察官で潜入先で殉職した事を察するあたり長野一家死傷事件は公安の案件なのかもね。
    黒田が長野県警に出向してた理由ってまさかこの事件を調べるため・・?

  • 「警察学校編」もサクッと読めるようで奥が深いですよね。

    私が気になっているのは第1話のヒロの夢の中のひとコマです。
    座り込んでる女性ですが、この人生きてるのではないでしょうか?
    私にはこの女性が左手で自分の首を抑えているように見えます。このようなポーズで亡くなっているとは考えがたいのでここで言う傷を負いながらも生還したのは彼女の可能性があるのかも。
    左手で抑えているように見えるのは私だけでしょうか。
    また「長野一家死傷事件」という名は長野の事件といえば諸伏家という程大事件だったということ。
    犠牲者が両親2人と考えるとこの名は腑に落ちません。
    私は例のコマは父らしき人物と女性の間にもう一人誰か倒れていると考えています。(女性のスカートと見せかけて)

    「女性の生存者がいた」「死者は両親だけではなかった」からこの事件名になった可能性があるのかな、と。
    一応私のブログにはその線も触れています。

    他の方にはこの女性が左手で首を抑えてるように見えないのか気になるのでお返事いただけたらありがたいです。

    • コメントありがとうございます!警察学校編は毎回新情報だらけで楽しいですね〜。

      ヒロの夢の描写ですが、女性は首を抑えてるわけじゃないと思います。首元あたりに袖口があるようにも見えますが、拡大した感じ、多分ただのVネックです笑。長野一家死傷事件という名前は、メタ推理で恐縮ですが、個人的には「長野県のどの地域」まで設定を詰めてないだけかなと。

      ただ、女性のスカートに見せかけて別の人間が倒れてる、という可能性はゼロではないと思います。言われてみれば、明確にスカートだとわかるほどくっきりとした描写ではありませんよね。また考察が進んだら、ぜひ教えてください!

  • ニコニコ大百科の「名探偵コナン」の記事で指摘した事なんですが
    連載を続けすぎた事が原因で「黒の組織恐れるに足らず」という話になってしまったんです
    本当ですよ

  • ピスコの話のとき、警察がピスコ達に身体検査を行ったにもかかわらず
    ピスコが銃を所持していたことを見れば、身体検査の割り振りを決める権限がある目暮警部が実は黒の組織のメンバーなのがわかる
    本堂瑛祐がコナンの正体にどうやって気づいたのか
    つまりは「へっぽこ探偵が急に名探偵になるなどありえない話、コナンが現れてから急にこれが起きた以上、コナンは怪しいやつ」という考えを抱き
    コナンの正体は工藤新一に気づくと言う気づき方を見れば
    黒の組織のメンバーがこの発想をしないこと前提の計画をコナンに持ちかけた阿笠博士が実は黒の組織のメンバーなのがわかる
    これらが何を意味しているかわかるか?
    「工藤新一の生存もコナンの正体が工藤新一なのも黒の組織にもうばれている」と言う事だ
    ところが当のコナンはこれに気づいていない
    これはコナンのしている事がただの見栄にしか過ぎず
    この作品はコナンは黒の組織に体よく利用されているだけの話にしか過ぎない事を意味する設定なのだ
    つまりコナンと黒の組織の対決全部見栄にしか過ぎない事を意味する設定なのだ
    もちろんコナンの名推理も全部見栄にしか過ぎない事を意味する設定なのだ
    そしてこの事実を打ち明けない二次元業界の姿を見れば
    「名探偵コナンは見栄を表現する話にしか過ぎない」及び「二次元業界は見栄を表現する業界」にしか過ぎないことがわかる
    つまり他の作品も全部見栄を表現しているだけの話だと言うことがわかる作品なのだ

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    ABOUTこの記事をかいた人

    子供の頃にベルモットの変装トリックに騙されて以来、生粋のコナンファン。考察は「DEATH NOTE」などにも似た頭脳エンタメだと思います。読み物として面白くなるように「わかりやすさ」と「サプライズ」を大切にしています。本業も物書き。