名探偵コナンの黒幕「あの方」の正体をネタバレ考察。15の伏線から見える2人の候補者とは?【名探偵コナン考察】

青山先生「ボスの名前はすでに原作のどこかに出ている。探してみてくださいね」
(朝日新聞より引用)

青山先生の衝撃の発言から10年余り。

「名探偵コナン」の黒幕・あの方の正体は、いまだ謎に包まれています。

ある人は烏丸蓮耶だといい、ある人はエドワード・クロウだといい、ある人はランディ・ホークだという。私もこれまで検証を重ねてきましたが、有力な候補者には辿り着けずにいました。

 

しかし、ついに候補者を二人まで絞り込むことに成功。

今回は、あの方にまつわる15の手がかりを徹底考察。特徴と人物像をプロファイリングしながら、その正体に迫ります。




1. 原作53巻FILE.8までのどこかに出ている

青山先生「ボスの名前はすでに原作のどこかに出ている。探してみてくださいね」
(朝日新聞より引用)

最初の手がかりは、2006年1月13日の朝日新聞に掲載された青山先生のこの発言。

サンデーの連載分も含めると、当時掲載されていたのは53巻FILE.8「釘とへび」まで。のちに青山先生は「フルネームで登場している人です」と明かしているため、ボスはこの時点までにフルネームで登場した人物と考えていいでしょう。

53巻時点ではフルネームが出ておらず、「フルネームで登場している人です」の発言までにフルネームが登場したという線もありますが、その場合は名字orファーストネームのみで登場後、フルネームで再登場したということに。よほど巧妙に隠さない限り読者の目についてしまうので、この可能性は低そうです。

 

また、「ボスの名前は」「探してみてください」という歯切れの悪い言い回しから察するに、レギュラーキャラではなさそう。たとえば、仮にあの方=工藤優作なら、「ボスの名前はどこかに出ている」ではなく「ボスはどこかに出ている」、あるいは「ボスはすでに出ている」という言い回しになるはず。少なくとも、「名前は」という言葉は自然には出ないですよね。

あえて含みを持たせたのかもしれませんが、それなら「ボスはすでに出ている」と話したほうが、レギュラー・モブ問わず候補者を広げることができます。なので、その可能性も低い。

となると、この発言から読み取れるのは以下の2点。

  1. 53巻FILE.8までにフルネームで登場している
  2. レギュラーキャラではない

 

2. 組織の名前がわかるとあの方の正体もわかる

青山先生「組織の名前がわかるとボスの正体もわかる」
(朝日新聞より引用)

こちらも青山先生の発言。組織の名前とあの方の名前はリンクしているということ。

さらに言えば、あの方の名前をもじって組織名がつけられたと思われます。もし組織名をもじってあの方の名前がつけられた場合、ボスが生まれる前から組織があり、両親は組織名をもとに子供の名前を決めたことになりますから、ちょっと非現実的かと。

 

じつはこれ、あの方の年齢・家族構成を推理するにあたって大きなヒントです。

組織のプロジェクトが開始したのは半世紀前。組織が発足し、組織名がついたのも同時期だと推測できます。そして、その半世紀前につけられた組織名が現代のあの方とリンクしている。つまり、あの方は少なくとも50歳を超える高齢の人物です。

もともとあの方が高齢なのは、ピスコの「長年仕えた」という発言からも有力視されていました。ですが、「長年」という言葉がアバウトであること(10年〜20年だとしても長年)、「仕えた」という言葉も「執事として仕えた」のような解釈ができることから、決定打と呼べる証拠はなかった。これも証拠とまではいえないものの、確度は高まったと見ていいのではないでしょうか。

 

ただし、高齢じゃないパターンも一応あり得ます。それは、半世紀前のボスと現代のボスの名前が似ているケース。親子や兄弟だった場合ですね。たとえばボスが大黒連太郎、組織名がビッグブラックだったとしましょう。仮に大黒連太郎がまだ30代ほどの人物でも、父親の大黒一太郎(仮名)が先代のボスだった、で説明がつきます。

 

ということで、この発言から導き出せる答えは以下の2つ。

  1. あの方は高齢
  2. 高齢じゃなかった場合、先代のボスとは親子関係

ちなみに、「実際の組織名は考察しないの?」って疑問を持たれた方も多いと思いますが、アナグラムだったり連想形式だったり可能性が広すぎるので、機会があればまた。個人的には、組織名からあの方を予想するのはナンセンスかなとも思ったり。

 

3. 石橋を叩きすぎて壊してしまう人物

ベルモット「ボスは慎重居士…石橋を叩きすぎて壊してしまうタイプだから…」
(名探偵コナン65巻より引用)

あの方のパーソナリティーを示した貴重なシーン。

「石橋を叩きすぎて壊してしまう」という言葉は、必ずしもポジティブな意味合いではありません。慎重すぎて失敗したり、「疑わしきは罰せよ」的な極端な思考の持ち主、という解釈もできます。だとすると、あの方は過去に慎重すぎて失敗したシーンを描かれているキャラかも。

また、慎重居士ということは、裏を返せば「正体がバレるようなことは絶対にしない」。つまり、いかにもあの方らしいキャラクターではなく、むしろイメージとはかけ離れたキャラクターほど、ボスの人物像と合致します。

こうしたセリフを気安く口にできる辺り、ベルモットとあの方はやはり親密な関係なのでしょう。

 

4. 組織は金の流れを牛耳ろうとしている

青山先生「一つ言えるのは、組織は金の流れを牛耳ろうとしていることです」
(名探偵コナン新聞 第2号より引用)

組織名にあの方の名前が採用されていることからも、組織はトップダウン型。当然、行動理念を決めているのはボスでしょう。目的か手段かは不明ですが、あの方は莫大な金を求めています。

ただの巨額の富ではなく、流れごと牛耳ろうとしているところがポイントかも。本当は権力を欲しているなら、土門康輝を狙ったのも納得。

 

5. ベルモットと特別な関係にある

安室「何しろ僕はあなたの秘密を握っている数少ない人物の一人…組織のメンバーが知ったら驚くでしょうね…まさかあなたがボスの…」
(名探偵コナン80巻より引用)

安室がベルモットに言ったこのセリフ。あの方はベルモットと特別な関係にある様子です。安直に考えれば、夫婦や親族、愛人などが浮かびますが、「あなたがボスの研究を妨害工作しているなんて」みたいな変化球もあり得ます。

 

ここでポイントになるのは、安室が見抜くことのできる関係性ということ。

作者曰く安室は「探偵のような男だから」それを見抜けたとか。つまり、洞察力や推理力、捜査能力を駆使しなければ辿り着けない真相なのでしょう。となると、たとえば公安の力を使い、「七つの子」のメールアドレスからボスを特定→その正体はシャロン・ヴィンヤードで、ベルモットは娘だと判明、みたいな流れではなさそうです。

そもそも、戸籍情報からあばいた秘密を、ベルモットへの脅しとして堂々と使うのは難しい。ボスの正体を探ったことになり、自分がスパイだと自白しているようなものですからね。あくまで裏切りを悟られない範囲でしか、ベルモットを脅すことはできません。つまり、血縁関係の可能性は低い。

 

夫や恋人でもなさそうです。ベルモットは蘭と新一を「この世でたった二つの宝物」と評しています。もしボスがベルモットにとって愛する恋人だったなら、宝物は三つになるはず。

また、作者は「ベルモットは以前ジンのことが好きだったかも」とほのめかしているので、もしボスが夫だったなら浮気になってしまいます。マティーニ作ってたのはヤバいよね(笑)。

この伏線については掘り下げると長くなるので、続きは別の記事で。ひとまず以下の2点は確定。

  1. あの方とベルモットは血縁関係ではない
  2. 夫婦、恋人関係でもない
Twitterでもショートな考察を更新中。








8 件のコメント

  • おもしろくてわかりやすくて、夢中で読みふけっちゃいました。

    あの方が光彦になりすましている説の考察もあれば読みたいです。蛍を探しに行くストーリー以降が怪しいように感じています。

    組織の目的、組織メンバーの能力に関する考察なども読みたいです!
    私ではこんなに具体的で多方面から読み解いた考察はできないので…笑。

    これからも楽しみに読ませていただきます。

    • コメントありがとうございますー!お楽しみいただけて嬉しいです。

      光彦説については、可能性は限りなくゼロに近いと思ってます。根拠は色々ありますが、作者にも否定されてますし、何より名探偵コナンという作品におけるタブーかなと。

      探偵団の活躍によって解決した事件は、原作・アニオリ・映画ともに数え切れないほどあり、彼らの行動原理は純粋な子供の正義感として描かれてきました。それを全てなかったことにする(少なくとも歪めてしまう)展開は、「コナン」という国民的コンテンツでは困難ではないでしょうか。良くも悪くも「コナン」はもう作者だけのものではないんですよね。

      あの方の幼児化という意味だと、あり得るとしたら高飛車な女の電話越しに聞こえた猫の声=あの方というパターン。つまり赤ちゃんまで若返ってる展開ですね。歳をとらなくなってしまったあの方のために組織は老化薬を作っている、みたいな。これも色々と矛盾する展開ではあるんですが、どちらかというと光彦説よりは可能性があると思います。

      組織の目的については、エレーナも出てきたことですし、今後さらに考察していきたいと思ってます!楽しみにお待ちいただけたら幸いですー!

  • はじめまして。
    今頃ではありますが、こちらのサイトを知り、感嘆しながら拝読しております。
    まだすべて読めてませんが、説得力があり論理的な思考が素晴らしいと思います!

    今さら過去記事にコメントするのも気が引けたのですが、どうしてもHiro様のご意見を伺いたくて勇気を出してコメントします。

    私も大黒があの方だと思っているのですが、烏丸と大黒には数字の暗号が含まれてはいないでしょうか?

    まず、前提として大黒は(漫画世界では珍しく)読み方が分かりません。ルビが振られていないので。
    名簿の前後の名前を考えると「だいこく」でしょうが、一般社会では「おおぐろ」と読むことも可能です。

    もし「おおぐろ」と読むなら4869のように次のように数字変換できます。
    【0096】
    この数字をアナグラム…というか、スマホを逆さまにしてみるとこうなります。
    【9600】
    この数字を解読します。まず最初の3つ。
    960→く、ろ、お→クロウ→烏
    最後の0は丸に見立てれば
    9600→烏+丸→烏丸

    以上よりこの2人はつながるのではないかな、と思うのです。

    私の周囲にはコナンを語り合える友人がいなくて、上の考えを思いついたものの意見も聞けず、一度ネットに吐き出したこともあるのですが、とんでも考察も添えてたため笑、数字暗号についてはほぼ反応がなく…。
    でもどなたかのご意見が聞きたくて、図々しくもコメントしてしまいました。申し訳ありません。
    あと、もうすでに考え出されているアィディアであるなら、ドヤ顔で語ってしまい、本当に申し訳ないです…。

    なんだかお返事を催促するようなことを書いて申し訳ないですが、無理強いする気は毛頭ありませんので!
    お目通し下さればそれで十分幸せです。

    長々と失礼致しました。

    • こんなに古い記事をご覧いただいてありがとうございます…!この記事の1〜2週間後くらいにあの方の正体が発覚し、記事の寿命が短すぎて複雑な気持ちだった記憶があるので、嬉しいです。笑

      大黒の読み方は、12巻で「大黒(だいこく)ビル」が出てきたので「だいこく」かと思ってました。ですが、その数字に変換する説は面白いですね!

      そもそも烏丸の名前がカラスから来てますし、これなら「烏丸にも大黒にもカラスが入ってる」という状態にできます。むしろそれが「烏丸=大黒」を推理するヒントとも考えられますし、この説が正解の可能性は十分あると思います。

      私はこういう発想力を要求される考察は苦手なので、助かります!!全然図々しくないので、またコメントしてください〜。笑

        • 面白い考察だったので、このタイミングで広めたいな〜と思いまして。ご覧いただけてよかったです!

      • 返信ありがとうございました!
        過去記事にコメントするのは管理者様には負担になるかと送った後で申し訳なく思ったのですが、こうして返信頂けて、本当に嬉しかったです。

        私の考察とも呼べない思いつきに感想頂き、とても感激しました!
        思いついたものの誰とも語り合えず悶々としていたので笑、興味を持って頂けてすごく嬉しかったです!
        正解かは分かりませんが…でも大黒=烏丸なら嬉しいなあ…。

        こちらの考察記事、とても面白いです!
        最初から読み返してふむふむとうなずいております。
        今後も楽しみに待っています^_^

        返信は不要です。お礼を述べたかっただけなので。
        この度はありがとうございました!

  • 僕は違う説を立てております。

    今まで、余り公表してきませんでしたが…あの方のコードネームから、「蘭」と予想しています。

    なぜ、蘭かといううと、orchidの「オーキッド」と言うカクテルが存在します。

    orchidは同じスペルで英語の単語訳すると、ラン科の植物になります。

    ちなみに、このorchidは、ジンベースです。

    あの方のコードネームがジンベースと噂される中、ジンベースなのは有力な情報です。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    子供の頃にベルモットの変装トリックに騙されて以来、生粋のコナンファン。考察は「DEATH NOTE」などにも似た頭脳エンタメだと思います。読み物として面白くなるように「わかりやすさ」と「サプライズ」を大切にしています。本業も物書き。