灰原、ジン、ウォッカが美國島を訪れた理由。大黒連太郎は烏丸蓮耶?【名探偵コナン考察】

名探偵コナン28巻の舞台として登場し、不老不死の伝承もある「美國島」

観光客の名簿のなかに、宮野志保、黒沢陣(ジン)、魚塚三郎(ウォッカ)、さらには烏丸蓮耶と同一人物とも目される大黒連太郎の名前があることでも知られています。

今回は、灰原、ジン、ウォッカの三人がなぜ美國島を訪れたのか考察しつつ、そこから見える烏丸の狙いについても書いていきます。




不老不死の研究に訪れたのではない

ではさっそく、三人がどうして美國島に訪れたのか考えていきましょう。

安直に考えるなら、「組織の目的は不老不死の実現であり、その研究のために訪れた」といったところ。しかし、だとすると多くの矛盾点がありそうです。

 

組織の目的は不老不死ではない

青山先生「(不老不死は)違います。確かにそう思っちゃうよね。今ね、組織のなかでは大変なことが起こっていますよ」
(ダ・ヴィンチニュースより引用)

そもそも青山先生は、「組織の目的は不老不死ではない」と明言しています。つまり、三人は不老不死を実現させるために島に訪れたのではない。

 

APTX4869の研究とも関係ない

科学の世界でも、不老不死と横並びで語られるのが若返り。灰原が「APTX4869の研究のために、不老不死からヒントを得ようとして訪れた」という線はどうでしょう。

しかし、これもなさそうです。なぜなら、この訪問にはジンとウォッカが同行しているから。彼らはAPTX4869をただの毒薬と勘違いしており、おそらくボスである烏丸から真の用途を情報封鎖されています。

つまり、薬の研究のためにジンたちを連れていっても、足手まといになるどころか情報漏洩のリスクが増すだけ。慎重居士の烏丸がそれを指示するとは思えません。

 

灰原「まあ、私が本当に作らされていたのは…別の薬なんだけどね…」
(名探偵コナン90巻より引用)

そもそもAPTX4869は、灰原が「本当に作らされていた薬」とは別もの。開発者の宮野夫妻が「銀の弾丸」と名づけていたことからも、組織にとって不利益な薬だと思われます。そのため、烏丸がAPTX4869の研究のために指示を出すとは考えづらい。

 

「本当に作らされていた薬」が別にあったということは、逆説的にAPTX4869は「本当は作らされていなかった薬」。灰原の非公式な研究だったなら、ジンとウォッカはなおさら同行しないはず。

 

そもそも「研究」のために訪れていない

そもそもの話ですが、「研究」のために訪れたという推理自体があやしいもの。なぜなら、研究者として訪れているのが宮野志保ただ一人だけだから。

灰原「当然その調査に、薬の考案者である私も同行したわ…でも、家の中はホコリだらけで、誰も住んでいる形跡はなく、一度目はそれでお開きになった…」
(名探偵コナン18巻より引用)

工藤邸を捜索したときでさえ大規模なチームを組ませていました。幹部級のメンバーを派遣してまで研究するなら、ほかにも研究者がいないとおかしい。とはいえ、ほかのメンバーは名称不明のため、実際には訪れていた可能性はあります。

 

なにより、研究だけが目的ならジンとウォッカが訪れる必要はありません。護衛としての役割は、楠田陸道のような下っ端でも十分。幹部級の二人が派遣されたのは、彼らにしか担えない重要な役割があったということ。

 

研究のスポンサーになり得る大物を探し、交渉するために訪れた

しかし、「研究」のために訪れたのでないとすると、一体目的はなんだったのか。

幹部級の三人を送り込むからには、美國島には組織の求める重要なものがあるはず。そこで、組織の求めるものを改めて整理してみました。

  1. 灰原が本当に作らされていた薬
  2. 板倉卓のシステムソフト(=優秀なゲームプログラマー)
  3. 金(※青山先生は「組織は金の流れを牛耳ろうとしている」と発言)
今回この中から手に入りそうなのは、金。しかも、より巨大な「金の流れ」です。

 

目的は資産家とのコネクション

服部「元外務大臣に官房長官に日銀の総裁!! 昔、日本を動かしとったお偉いさんがぎょーさん名前連ねてんでー!!」
(名探偵コナン28巻より引用)

服部曰く美國島には、日本を動かしていた大物たちが何人も訪れていたとか。組織にとって彼らは、多額の資産を持つドル箱であり、同時に権力者。「金の流れを牛耳る」ためには、非常に有効なカードになります。

 

ジン「組織の力を借りてここまでのし上がったんだ…もう十分いい夢を見ただろ?」
(名探偵コナン24巻より引用)

自動車メーカーの会長だったピスコは、組織の力を借りてのし上がったらしい。これは、組織がかなりの権力者を抱えている証拠です。現実世界におけるHONDAや日産と考えれば、ピスコを会長まで引き上げた人物は相当の大物。もちろん、ボスである烏丸自身が引き上げたのかもしれませんけどね。

 

三人が島に訪れた理由は、組織の研究のスポンサーになり得る人物を探すことだったのではないでしょうか。

組織の目的が「金の流れを牛耳る」である以上、島に集まる大物と接触を図りたいのは確実。そのための名簿の入手こそが、三人の第一ミッションだったと思われます。

 

宮野志保が召集された理由

しかし、名簿を入手するだけなら隠密担当であるジンとウォッカだけで事足りる。では、宮野志保が召集されたのはなぜでしょうか? そこには彼女だからこそ担える役割があるはずです。

結論から言うと、おそらく三人の思惑は、その場に訪れた大物と交渉を図ることにあったのだと思われます。そのためには、宮野志保がどうしても必要だった。

 

仮に交渉するとなった場合、薬の効果や原理の説明はジンたちにはできません。宮野志保は、「本当に作らされていた薬」の重要な研究者。つまり、薬について誰よりも熟知している人物です。

そして、交渉相手たちが求めるのはまさにその部分の説明。なぜなら彼らは、不老不死を渇望している人々で、おそらくそれなりの教養もある。ただ「不老不死の薬を開発している」なんて与太話を告げたところで、耳を貸すはずもないでしょう。

逆に言うと、具体的な方法論を伝えられれば、彼らがスポンサーになってくれる可能性はある。そのために必要なのが、宮野志保だったということ。

 

組織の目的が不老不死でないことは作者が明言していますが、一方で「時の流れに逆らって、死者を蘇らせようとしている」とも高飛車な女は話しています。つまり、組織の目的は不老不死と似通った部分もあるはず。

 

名簿に書かれていた「大黒連太郎」=烏丸蓮耶?

さて、ここでもう一つ見逃してはならないのは、名簿に残されていた「大黒連太郎」の名前。この名前、組織のボス・烏丸蓮耶をもじって作られています。

烏→黒 丸→太 蓮→連 耶→郎

烏丸は生きていれば140歳。一般的には亡くなっているはずの年齢なので、仮に若返りの薬を服用していたとしても、これまでの名前を名乗ることはできません。つまり、烏丸がどういった形で生きているのであれ、現在は偽名を使っているのは確実。

 

これだけで断定はできませんが、大黒連太郎は烏丸の使っている偽名なのではないでしょうか。だとすると、烏丸はかつて美國島に訪れていたことになります。

 

流れはこうです。烏丸は研究のスポンサーと、金の流れを牛耳るための権力者を探していた。そこで以前訪れたことがあり、大物たちが集うことを知っている美國島に白羽の矢を立てた。

抜擢されたのは交渉役のジンとウォッカ、そして薬の説明のためにシェリー。時期については、大物たちが集まる祭りのシーズンに合わせたのでしょう。

もし交渉に失敗しても、暗殺能力に長けたジンたちが口を封じる算段。大物たちは不老不死を求めていることを世間に知られたくないはずなので、おそらくお忍びで来ています。行方不明になっても足取りを追うことは困難だったのではないでしょうか。

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2017年12月3日

 

ジンとウォッカは「本当に作らされていた薬」の効果を知っている

ここまでの考察が正しいとすると、もう一つ重大な事実が見えてきます。それは、ジンとウォッカは「本当に作らされていた薬」の大まかな効果を知っているということ。

でないと交渉役は務まらないし、シェリーも彼らとともに薬の効果を説明できません。

 

ジンとウォッカは組織の目的も知っている?

そして、「本当に作らされていた薬」の効果を知っているなら、組織の真の目的についてもきちんと把握していることに。実際、二人は板倉のソフトの回収や、映画「天国へのカウントダウン」内では優秀なゲームプログラマー・原との関係も示されるなど、組織の目的達成に関わる重要な任務も任されています。

灰原「この地球のほとんどの人間には価値を見出せない愚かしい代物…」
(名探偵コナン38巻より引用)

灰原は薬についてこう独白していますが、少なくともジンとウォッカの同意は得られたということでしょうか。あるいは、それこそ不老不死などフェイクの目的を烏丸から吹き込まれているのか。

 

幼児化を知らない理由は?

一方で、二人は幼児化という現象については知りません。これは、ベルモットが隠蔽しているからだけではなく、ボスである烏丸蓮耶が情報封鎖しているからだと思われます。

 

エレーナ「でもその薬を完成させるためには、父さんと母さんはあなた達とお別れしなきゃいけないの…わかってちょうだいね…志保…」
(名探偵コナン78巻より引用)

APTX4869の開発者だった宮野エレーナはかつて、薬を開発するために姿をくらまそうとしていました。つまり、組織内では薬を完成させるのが困難だったということ。

潤沢な資金と(おそらく)優秀な人材に囲まれた組織にいながらそうなるとしたら、技術的な問題ではない。単純に、薬の開発を禁じられたからではないでしょうか。宮野夫妻はAPTX4869を「銀の弾丸」名づけていました。つまり、組織にとって不利益な効果を持っている。

 

この仮説が正しければ、APTX4869の効果を烏丸は知っていることは確定的。にも関わらず、ジンとウォッカには共有せず、毒薬だと説明しているわけです。

 

ここまで幼児化をひた隠しにする理由はなんでしょう?

もしかしたらそれこそが、青山先生の話していた「組織では今大変なことが起こっていますよ」なのかも。たとえば、ジンたち一般のメンバーは不老不死を目的として動いているけど、烏丸とベルモットは成長の止まってしまった赤ん坊の老化のために動いている、とか。

これについてはさらなる考察が求められそうですね。

 

考察の結論

今回は仮説の色が強い考察でしたが、烏丸に関する考察の一つとして書いてみました。結論は以下の通りです。

3 Lines Summary

  1. 組織が美國島に訪れた理由は、不老不死の研究のためではない
  2. 組織が美國島に訪れた理由は、研究のスポンサーになり得る大物と交渉するため
  3. ジンとウォッカは「本当に作らされていた薬」の効果を知っている
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ABOUTこの記事をかいた人

子供の頃にベルモットの変装トリックに騙されて以来、生粋のコナンファン。考察は「DEATH NOTE」などにも似た頭脳エンタメだと思います。読み物として面白くなるように「わかりやすさ」と「サプライズ」を大切にしています。本業も物書き。