名探偵コナン1027話で登場した謎の暗号。
今回は作中のヒントや青山先生の発言をもとに、解読してみました。本来なら先に公開した記事にまとめるつもりでしたが、長くなったので分割。
と言っても、すべて解けたわけではありません。現時点でわかったことを言うと、
- 暗号にはさまざまな野球用語が隠されている
- 容疑者の名前は野球場を由来にしている
- 6×6のマスは野球場、3×3のマスはダイヤモンド(内野)を示している
- 暗号に含まれているメッセージは「さあプレイボールだ」
- 今後、打順に見立てて連続殺人が行われる
- 犯人の動機は日原の復讐
- 犯人はピッチャー?
……なんだか長くなりそうなので、なるべく簡潔に説明します(笑)。
1. 暗号にはさまざまな野球用語が隠されている
今回の暗号には、さまざまな野球用語が隠されています。ヒントはこちらのセリフ。
小五郎「依頼主の都合で『4人で来てくれ』って事だったんだが…」
(名探偵コナン1027話より引用)
「4人で来てくれ」ということは、現地の容疑者たちも含めて9人が必要。9人と言われて連想するものはいくつかありますが、ゼロティーの最新話を踏まえると「野球」です。
そういう目線で見ていくと、一見意味不明なカタカナは、野球用語を示しているとわかります。
- ピッチャー
- キャッチャー
- ファースト
- セカンド
- サード
- ショート
- レフト
- センター
- ライト
という野球のポジションはもちろんのこと、
- バッター
- アウト
- セーフ
- ストライク
- ファール
- 三振
- エラー
- フェア
- バント
- フライ
- スチール
- パーフェクト(完全試合)
といった、さまざまなルールやプレーも含まれています。
ポジションの単語はすべて揃っているため、意図的に作られたもので確定。
ルールやプレーについては偶然の産物にも思えますが、「ェ」という用途の限られる文字が入っていることを考えると、やはり偶然ではない気がします。
その他、ストレートやシュート、スライダー、シンカー、スプリットといったピッチャーの球種も作れるものの、カーブやフォーク、ナックルはないので微妙。
ちなみに、上記すべての言葉を作ると、残るのは「ミヤ」。また、キとシのみ2文字ずつあるので、それらを残すと「キシミヤ」。あるいは、内野を意味する「ダイヤ」でヤを消してミを残し、ミ→三→3と解釈するとか。
いずれにせよ、これらの野球用語がヒントになるのは間違いなさそうです。
2. 容疑者の名前は野球場を由来にしている
また、とび森で青山先生は「名前もヒントになってるよ」と話していました。
容疑者たちの名前を「野球」という切り口で調べると、どうやら閉鎖した野球場を由来に作られているよう。
- 日原泰生/日本生命球場(1950-1997)
- 藤出頼人/藤井寺球場(1928-2005)
- 和田孝平/平和台野球場(1949-1997)
- 古浦郁絵/後楽園球場(1937-1987)
- 川崎陽介/川崎球場(1951-2000 ※閉鎖ではなく改修)
- 西野澄也/阪急西宮球場(1937-2002)
あえて閉鎖済みの球場に絞っているのは、閉鎖した時期にヒントがあるのかも。
また、藤井頼人のみ、名前にポジション(ライト)が含まれているのもポイント。後述しますが、彼は事件を解くキーマンになりそうです。
3. 暗号のマスは野球場を見立てている
さらにこの暗号のマスですが、野球場を見立てて作られています。
右下の角を支点に、ひし形になるような角度で暗号を眺めてみてください。
6×6の大きな枠はグラウンド全体、太い線に囲まれた3×3の枠は「ダイヤモンド(内野)」に見えると思います。
もしかしたらコナンたちは暗号を解読する際、今回出てきたトランプの「ダイヤ」をヒントにこのことに気づくのかもしれません。
だとしたら、青山先生の巧みな伏線の張り方には舌を巻くばかり。まあ、安室と脇田はすでに暗号を解いているようにも見えますけど。
4. 暗号に含まれているメッセージは「さあプレイボールだ」
さて、この暗号を野球場に見立てると、あるメッセージにたどり着きます。
まずは、野球の各ポジションを、暗号のマスに当てはめてみましょう。たとえば、太い枠の中央にある「サ」はマウンドの位置なので、ピッチャー。同じように、右下の角の「ア」はキャッチャー。
9つのポジションを当てはめたら、次にそのマスの文字を繋げて文章にしていきます。
ここで知っておきたいのが、野球の背番号について。野球では正選手の背番号に、ポジションごとの「守備番号」を割り当てます。
- ピッチャー(1番)
- キャッチャー(2番)
- ファースト(3番)
- セカンド(4番)
- サード(5番)
- ショート(6番)
- レフト(7番)
- センター(8番)
- ライト(9番)
プロ野球ではこの限りではありませんが、高校野球だと守備番号は慣例として根づいているようです。そして、今回の容疑者たちは高校時代の同級生。
この順番通りに、それぞれのマスの文字を読んでいきましょう。
すると浮かび上がるのは、「サアプレイボールダ」という犯人からの宣戦布告。
ご存知の通りプレイボールは、野球の試合開始のこと。野球の試合は9回まであるので、脇田の話した「連続殺人」は現実のものになりそうです。
5. 今後、打順に見立てて連続殺人が行われる
連続殺人が起こるとして、それはどのように行われるのでしょうか。おそらくヒントはこのシーン。
小五郎「グルっと一周しちまってるじゃねぇか…」脇田「誰かがウソをついてサプライズを狙ってるって魂胆ですかい?」
名探偵コナン1027話より引用
西野は藤出からメールをもらったと言い、藤出は和田からメールをもらったと言う。そして和田は古浦から……と続き、最終的にグルっと1周。
野球でグルっと1周するものといえば、打順です。
犯人は彼らに打順を設定し、その順番に従って殺人を実行していくのではないでしょうか。
そもそも今回の犯人は、こうした「殺人のルール」を設けているタイプ。
プレイボールという言い方は、一方的な殺戮ではなくゲームを意識したもの。ゲームには当然、一定のルールも必要です。
実際、犯人は手がかりになる暗号を残したり、同級生たちに毛利小五郎というお助けキャラを用意したりしています。
だとすると問題は、誰にどの打順が設定されているのか。
順番自体はおそらく、先ほどの「グルっと1周」の順番なのだと思います。ですが、これだけでは誰が最初の被害者になる1番なのかわかりません。
ここでキーマンになりそうなのが、藤井頼人です。
藤井頼人は、名前にライトというポジションが含まれています。おそらく彼は、ライトの守備番号である9番を打順として与えられているのではないでしょうか。
藤井を起点に、先ほどの「グルっと1周」の順番を見てみると、藤井の次は和田。つまり、和田が1番に設定されていると予想できます。
この仮説が正しければ、
- 最初の被害者は和田
- もし和田が犯人なら、最初の被害者は古浦
という流れになりそうですが、どうなるか。
ちなみに冒頭のトランプでは、ダイヤの8が安室から脇田、脇田からコナンへと渡っている。これも「グルっと1周」を暗示する描写ですね。
ただし、問題はババ抜きのルール上、同じカードが「グルっと1周」するのはありえないこと。脇田はあえて8のペアを捨てていないようです。
▼ババ抜きに関する考察はこちら。
6. 犯人の動機は日原の復讐
ここまでの仮説を読んで、「1番の打順に設定されているのは最初の被害者である日原では?」と思った人もいると思います。
それも一理ありますが、現時点では違うかな〜という印象です。なぜならおそらく犯人の動機は、日原の復讐だから。
単に連続殺人を起こすなら、小五郎を呼び立てる必要はありません。自らの計画を見抜かれ、妨害されるリスクが上がるだけ。
それでも小五郎を呼んだのは、担わせたい役割があるからです。そして、名探偵に担わせたい役割といえば、それは「謎解き」。
小五郎「その人の古い友人が長野の山奥の潰れた教会で首を吊って亡くなったらしいんだが…その理由が全く思い当たらないみたいでよ…」
(名探偵コナン1027話より引用)
だとすると、この手紙の内容も100%嘘ではないのかも。
日原の自殺の動機が「全く思い当たらない」のは嘘にしても、わからないのは本当。ただし、同級生の誰かが日原を死に追い込んだことまではわかっている。それを特定するために5人を集め、謎解き役として名探偵の毛利小五郎を加えた。
ちょっと妄想じみていますが、全体観はそんな感じかなと思います。
7. 犯人はピッチャー?
最後に犯人の人物像について。これは妄想じみているどころか、完全に妄想かもしれません(笑)。
まずは改めて、暗号のなかに隠されている野球用語をご覧ください。注目したいのはポジションではなく、ルールやプレーのほうです。
おかしな点に気づきませんか?
- バッター
- アウト
- セーフ
- ストライク
- ファール
- 三振
- エラー
- フェア
- バント
- フライ
- スチール
- パーフェクト(完全試合)
そう、ホームランとヒットがない。
こじつけかもしれませんが、これだけ野球用語がズラリと揃っていて、野球の華であるホームランとヒットがないのは不自然です。
一方で、ノーヒットノーランを意味する「パーフェクト(完全試合)」は存在します。しかも「パ」は、ほかの用語では使い道のない文字です。
もしかしたら犯人は、高校時代に野球部でピッチャーを務めていた人物なのではないでしょうか。
ホームランとヒットがないのは、ピッチャーとしてのプライド。さらには完全犯罪を「パーフェクト」に見立て、連続殺人を計画しているとか。
とはいえこの場合、犯人は極めて独善的な人物。小五郎を呼んだのも「知恵比べをしたいだけ」という可能性さえ出てくるため、日原の復讐という同情の余地のある動機ではない気もします。
「6. 犯人の動機は日原の復讐」と「7. 犯人はピッチャー?」は、両立しない考察ということになりそうですね。
まとめ
ここまで長文にお付き合いいただき、ありがとうございます。
後半にかけて妄想色も強まってしまいましたが(笑)、シリーズ初回なのでご容赦を……。いまは手元にあるパズルのピースを、可能な限り組み合わせているようなイメージです。
暗号に込められた意味は「さあプレイボールだ」以外にもあると思います。大量の野球用語にもなんらかの役割があるはずなので。
なお、あくまでも考察であり予想なので、必ずしも的中しているわけではありません。普段の考察もそうですが、個人的な見解として受け取っていただけると幸いです!
事件解決編を見てからあらためて、考察読ませていただきました。
シリーズ初回なのでご容赦をと、書きつつ、『ホームランとヒットがない』ことにたどり着いてらっしゃる。
『ホームランとヒットがない』⇨○○○○ゲーム⇨動機
だったとは話の都合とはいえやりきれないですね。
お返事遅くなってごめんなさい!解決編後に改めて読んでいただけるとかありがたすぎます!!
今読むと盛大に外してるところも多いですが(笑)、確かに部分的には当たってましたね〜。考えられる可能性をとにかく並べて、そこから絞り込んでいくって作業は大事な気がします。
やりきれない動機でしたね。いつもの事件と違って悪人っぽい人がいなかったので、そんな予感もありましたが。。多分ですけど、安室と赤井の確執を暗示してるのかなって思います。その辺のことを1031話の記事に書いたので、よかったらご覧ください。