名探偵コナン1030話 感想&考察。1031話で黒田兵衛の正体は確定する。安室の“トリプルフェイス”終焉か?

名探偵コナン1030話「兄さんみたいに」の感想&考察です。

最初に言ってしまいますが、おそらく次回の1031話で、黒田兵衛の正体は確定すると思います。そして、脇田の正体もほぼ確定すると踏んでいます。

ということでこの記事では、

  • 脇田と安室の意味深なやり取り
  • 高明の回想
  • 黒田が電話で聞いたこと
  • 黒田があえて大和に電話をかけた理由

など、名探偵コナン1030話から気になったシーンを考察します。

 

ネタバレ注意です! 



脇田と安室の意味深なやり取り

さて、まずはツイッターでも触れた脇田と安室の意味深なやり取りから。

脇田「おやお2人さん…随分仲がよーござんすねぇ!」
(名探偵コナン1030話より引用)

脇田に不審がられたコナンと安室。それに対し、コナンは「まあね」と肯定、安室は「子供の浅知恵」と否定しました。

この反応のコントラストからわかるのは、「コナン→脇田」の警戒度と「安室→脇田」の警戒度の差。普通に考えたら「脇田=ラム」ですね。

 

ただ、この描写の狙いは「脇田=ラム」を示すことだけではありません。青山先生はむしろ、その先の展開を見据えている。

今回の描写は、

  • 脇田がコナンに初めて目をつけた
  • 脇田が安室を完全に信用していない

という2つのことを示したかったのだと思います。

 

なぜ示したかったかというと、次の展開に持っていくための布石になるから。

おそらく今回のシリーズをきっかけに、脇田は小五郎をシロだと確信(あるいは疑いを弱める)。逆にコナンを調査のターゲットとして認識するんじゃないかなと。

 

また、同時に安室を疑っているということは、映画「純黒の悪夢」の設定は残っている

補足:映画「純黒の悪夢」で、安室はラムにNOCであることを疑われています。

つまり、すでに安室が小五郎を調査しているにも関わらず、脇田自ら小五郎に接近したのは、安室への疑いが背景にあるということ。

 

脇田「自分を謀る裏切り者がわかるじゃないですか…」
(名探偵コナン1027話より引用)

▲今回のシリーズの最初で、脇田はこんな発言もしていました。これも安室を疑っていることを暗示していたのだと思います。

 

では、この設定をあえて残す意味はどこにあるのか。

脇田はおそらく、自力で「安室=公安」という事実にたどり着くのではないでしょうか。

 

そうなれば、ラム編で組織に安室の正体がバレる可能性は高そう。

もしかしたら赤井と同様に組織を抜けるかもしれません。そして「トリプルフェイス」ではなくなるとともに、あの方にとって2発目の「銀の弾丸」になるとか。

盛り上がる展開ではありますが、この場合「ポアロの安室さん」を続けることは困難になってしまう。それはちょっと寂しいですね。

 

高明の回想シーン

続いては高明の回想シーン。前回の記事に書いた通り、やはり東都大学の在学中に会っていたようです。

ただ、スコッチから降谷零を紹介されていたなら、高明はすでに封筒の送り主には気づいているかと思いましたが。

これについては考察の難しいところで、気づく条件がどれだけ揃っていても、必ずしも気づいているかは限らないということ。

 

それにしても、少年時代の安室の無愛想な表情(笑)。

喧嘩を繰り返していた幼少期とか、風見に対する厳しい姿勢とか、警察学校組の回想シーンからもわかる通り、安室はもともと気の強いタイプなのでしょうね。逆にスコッチの一人称は「ボク」で、かなり温厚な雰囲気です。

もしかしたら「安室透」は「諸伏景光」をベースに作られた人格なのかもしれません。安室が人当たりの良さを演じられるのは、温厚な景光をずっと近くで見てきたからとか。

 

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2019年2月25日

 

黒田は電話で何を聞いたのか?

さて、ここからは最も気になったシーンである、黒田から高明への電話について。

黒田「諸伏に代わってくれ…聞きたい事がある…」
(名探偵コナン1030話より引用)

この描写から見えてくるのは、次回の1031話で黒田兵衛の正体は確定するということ。どういうことか説明しますね。

 

黒田は高明に「降谷零」について口止めした

まず、黒田は高明に何を話したのか。

これについては、高明に「降谷零」の名前を出さないよう口止めしたのだと思います。質問の仕方は色々と考えられますが、目的は口止め、あるいは口止めを兼ねた何かで間違いなさそう。

 

なぜなら、このまま長野県警が今回の現場にたどり着くと、高明は安室に対して「降谷零」として接してしまいます。そうなれば、脇田に安室の正体がバレてしまうのは必至。

つまり、「降谷零に高明が気づく」という展開になった時点で、「高明を口止めする」という展開にするしか安室に生き残る道はありません。

 

そもそも安室からすれば、やがて現場に高明が来ることは明らか。

このまま何も手を打たず、高明に降谷零の名前を出されたのでは間抜けすぎます。となると、すでに高明への口止めを水面下で済ませているのは確実。

 

また、安室と脇田の対決は、

  • 工藤家で行われたお茶会
  • 黒田の「大事」というセリフ

などの伏線から察するに、安室やコナンから「仕掛けるもの」になると思います。

そのため、安室と脇田の対決が「高明の口から降谷零の名前が漏れる」のようなイレギュラーな形で始まるとは、あまり考えられません。

 

補足:ちなみに、ここで言う口止めとは、必ずしも「降谷零について黙っていろ」と命じることだとは限りません

たとえば、高明に「降谷零=公安」であることを察知させるような質問をしたり、思い切って公安の味方にするなどの場合も、結果的に口止めになります。

つまり黒田の用件は、少なくとも口止めを兼ねた何か、ということです。

 

計算づくだった安室の行動

そう考えると、ここまでの安室の行動はすべて、計算づくだったとわかります。

高明「この後ろの金髪の男…以前どこかで…」
(名探偵コナン1031話より引用)

まず、安室はあえてテレビ電話に映り込み、高明に「降谷零は弟の親友のゼロであり、事件現場にいること」を推理させた

これにより黒田は、高明に公安の情報を必要以上に教えなくても、スムーズに口止めできる状態になります。たとえば、高明に対して「降谷零=公安」だと匂わせるだけでも、口止めとしては十分な情報になるかもしれません。

 

安室「ペアを組みませんか?信用のおける人と、絶えず2人1組で動けるように…」
(名探偵コナン1029話より引用)

続いて、安室はペアを提案し、脇田の目から逃れる機会を作った。おそらくこの隙に黒田へとメールを送り、高明に口止めしてもらうよう要請したのではないでしょうか。

 

安室の怖いところは、こういう策略を表情一つ変えずにこなせてしまうところ。

赤井も似たところはあるけれど、もうちょっと楽しそうにやるんですよね(笑)。一見クールに見える赤井のほうが、根は明るいというか。

安室はすべてを内に秘めて、気配すら漏らさない。この辺りが、風見に畏怖される安室と、キャメルやジョディに親しまれる赤井のコントラストを生み出しているのかもしれません。

 

次回の1031話で「黒田と脇田の正体」は確定?

さて、もし黒田が口止めをしていたなら、次回の1031話は以下のような展開になるはず。

  1. 高明が安室に会っても反応しない
  2. 高明が安室に対して初対面のように振る舞う
  3. 高明が事件現場に現れない

おそらく濃厚なのは①、次いで②でしょうか。ほかにもパターンはありそうですね。

そして、本当にこれらの展開になれば、黒田兵衛の正体は公安で確定します。

 

まず、これらの展開になった場合、高明が黒田に口止め、あるいは口止めを兼ねた何かを提案されたのは確実。

となると、黒田の正体は「降谷零」「安室透」「バーボン」というトリプルフェイスをすべて知っており、なおかつ安室に助け舟を出す人物になります。

そんなことをするのは、公安以外に考えられません。安室が上司として接していることを考えると、黒田は裏理事官で決まりでしょう。

 

さらに言えば、脇田の正体もほぼラムで確定します。これらの展開は言い換えると、公安が脇田を危険視しているということですからね。

ただし、義眼の可能性のある脇田を念のため警戒しているだけかもしれないので、断定までには至りませんが。

 

ちなみに、これらの展開にならなかった場合はどうなるのか。

口止めされなかった高明は「降谷零」の名前を出すかもしれないし、出さないかもしれない。いずれにせよ、安室は手を打たなかったことになります。つまり、脇田に「降谷零」の名前がバレても問題ないと思っている

すると、残るパターンは以下のみ。

  • 脇田=公安、黒田=ラム
  • 脇田=公安、黒田=公安、若狭=ラム

どんな展開になったとしても、1031話でラムの正体にかなり近づけるのは間違いなさそうですね。

 




大和のスマホを経由したのは「大事」の伏線?

一方で違和感を覚えたのは、高明への電話なのに大和のスマホを経由したこと。

黒田は長野県警に出向していたので、当然ながら高明の連絡先も知っているはず。高明に電話しなかったのはなぜなのか。

 

高明のスマホに「黒田との通話履歴」を残さないため

もしかしたらこれ、高明のスマホに通話履歴を残さないためではないでしょうか。

高明が今後、組織の調査対象になったとしたら、スマホの通話履歴を探られる可能性は高いです。その際、今回の事件と同時刻に黒田と電話をしていたら、黒田もマークされることになる。

 

この仮説が正しければ、黒田は高明が組織に調査されるのを想定していることになります。

黒田「大事の前だ…余計な火は消しておくに越した事はないからな…」
(名探偵コナン1017話より引用)

だとしたら、黒田は自らの計画する「大事」に高明を巻き込もうとしているのかも。

次回、もし高明が脇田に目をつけられるようなシーンがあれば、この推理は現実味を帯びてきますね。

 

高明は公安にスカウトされる?

より妄想を膨らませるなら、大和のスマホを経由した理由は、高明が公安にスカウトされる布石とも考えられます。

高明「随分前に警察を辞め、別の仕事に就いたと聞いてから何の音沙汰もなくて…今頃、一体どこで何をやっているのやら…」
(名探偵コナン1020話より引用)

伊達「お前みたいにヒョロッとした優男だったよ…今はどこで何やってんだか…」
(名探偵コナン76巻より引用)

公安に入った人間は、周囲と連絡を断つことになります。しかし、大和と高明は親友。いきなり警察を辞めて音信不通になったら、大和は高明を探そうとするはず。

黒田はその辺りの人間関係を知っているので、大和に不審な電話をかけることで、「高明は公安に入ったから音信不通になった」と推理できるように配慮したのかもしれません。

 

単なる漫画の都合かも

とはいえ、実際には大和のスマホを経由したことに深い意味はなく、単なる漫画の都合とも考えられます。

たとえば、青山先生は黒田に「早く代われ」というセリフを言わせたかっただけかも。

これはラムのヒントである「せっかち」に当てはまる行動。電話という限られたやり取りのなかで、黒田にせっかちな印象を植えつけるためには、「電話を代わるように急かす」くらいしかない気もするので。

 

しかし、黒田が高明に口止めをしたなら、高明は公安について多かれ少なかれ知るのは確か

今回のシリーズが、高明を「大事」に参加させるための布石の可能性はあると思います。

 

黒田と脇田の「せっかち」な描写

さて、その黒田の「早く代われ」というセリフについてもう少し。

繰り返しになりますが、これは「せっかち」に当てはまる行動です。これにより「黒田=ラムかも…」と疑った人も多いと思います。

脇田「イラつきやすねぇ…」
(名探偵コナン1030話より引用)

ですが、せっかちな発言をしたのは黒田だけではありません。脇田も同じように「せっかち」な発言をしています。

つまり、青山先生は意図的にどちらのキャラクターもラムに見せかけている。どちらかはミスリードで確定です。

 

むしろこの描写からわかるのは、「せっかち」はラムの性格を指しているのではないということ。

もし性格を指しているなら、「せっかち」はラムだけの特徴にならないとおかしい。今回のように、黒田も脇田も該当するものではヒントになりません。

だとすると、やはり「せっかち」は「Time is money」に繋げて考えるのが正解。またひとつ「脇田=ラム」の可能性が上がりましたね。

 

事件について

最後におまけみたいな感じですが、事件についても一応。殴り書きでご容赦ください。

 

まず、犯人濃厚なのは引き続き西野。スマホについていたはちみつは、川崎に手を洗わせるための仕掛けだと思います。

西野は川崎のスマホにはちみつを付着させ、メールを送信。川崎のスマホは指紋認証なので、手袋を外してスマホに触れる。その際に手がベタつき、潔癖症の川崎はトイレに駆け込んで手を洗う。そして毒つきのハンカチを口にくわえ、ジ・エンド。

川崎を殺した手口としては、ざっくりこんな感じかなと。

 

そして「書斎でチェンジ」について。

最後のコナンの「命が断たれる」という言い回しからして、西野は自らの命を断ち、犯人から被害者へと“チェンジ”するのかもしれません。これにより藤出辺りに罪を着せる狙いだとしたら、探偵の小五郎をあえてこの場に読んだのも、推理させるためということで繋がる。

そもそも西野のここまでのトリックは、時間の問題でバレるものばかり。完全犯罪を目論んでいるとは思えなかったので、最後に自ら犠牲になるつもりだったなら納得です。

 

もしかしたらこのシーンも、藤出に罪を着せるための布石かも。

西野「何か飲み物もらっていいか?」
(名探偵コナン1029話より引用)

西野は藤出から飲み物をもらうために、彼の荷物に手を入れています。たとえば、このときに川崎の殺害に使用する毒を紛れさせたとか。

残るは動機ですが、「恥ずかしい部活」「藤出と郁絵が付き合っていた」「信濃大学」辺りがヒントになると思います。どう繋がるのか楽しみですね。

 

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2 件のコメント

  • 黒田は安室が公安という事は知らない可能性があると思いますよ。少なくともストーリー、劇場版共にそのような描写はないですし、安室と接する時は公安ではなくバーボンとしての描写ですしね。
    また捜査一課の管理官とゼロの裏理事官は警察組織上、兼任はできないルールです。 執行人のように警察組織、検察組織がテーマでそこだけアニメだからは考えにくいですしね。

    • コメントありがとうございます!ご指摘の点については他記事を含めても説明を省いちゃってたかもしれません、ごめんなさい!

      黒田が安室を公安だと知らない場合、劇場版の「ぬかるなよバーボン」のセリフが何のこと?という話になるし、映画と原作ということで回収不可能な伏線になるので無理があるかなと。また、黒田がラムとしてバーボンにあのタイミングで別任務を出す理由も伏線も見当たらないです。

      どんなミステリーにも言えることですが、描写の有無はあくまでも作者からの解答なので、考察する上では「この状況はどんな設定だと成り立つのか」を考えるのが大事かな〜と思ってます。

      捜一と裏理事官を兼任できないのも当然知ってますが、漫画ゆえの例外的な措置と、そもそも黒田は「黒田兵衛」に成り代わってるのが理由かなと思ってます。それに加えて、上記の推理とどっちの方が現実的な設定かを天秤にかけてこの結論にしたって感じですー!

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    ABOUTこの記事をかいた人

    子供の頃にベルモットの変装トリックに騙されて以来、生粋のコナンファン。考察は「DEATH NOTE」などにも似た頭脳エンタメだと思います。読み物として面白くなるように「わかりやすさ」と「サプライズ」を大切にしています。本業も物書き。