名探偵コナン1059話 感想&考察。工藤優作に変装しているのは「ベルモット」【サンデー感想】

名探偵コナン1059話「ショーの打ち合わせ」感想&考察です。

今回のシリーズでは、優作に変装したキッドが登場。ですが、その正体について一部のファンからは「実はキッドではなくベルモットなのでは?」と指摘されています。

確かに、個人的にもベルモットのほうが辻褄は合うと思っていたところ。TwitterのDMでもそれに関するご質問をいただいたので、考察してみました。

この記事では、

  • 優作に変装したキッド=ベルモットである根拠
  • ベルモットの思惑
  • 優作と赤井が仕掛けた罠
  • 100巻を目前に控えた次回の展開

など、優作に変装したキッドの正体と、そこから見えてくる今後の展開について考察します。

 

補足:なお、事件のトリックに関してはふせったーで予想しています。気になる方はそちらをご覧ください。 

 




1. キッドらしからぬ手口

結論から言うと、優作に変装したキッドの正体は、論理的に考えるならベルモットだと思います。

 

最初に注目したいのが、優作や有希子が食当たりを起こしていること

大前提として、食当たりの原因は、おそらく何者かが料理に毒物を混入したから。これは「ポストに入れられていたチラシを見てレストランに行き、そこで食当たりを起こした」という流れからも明らかです。

では、毒物を混入したのは誰なのか。候補者はキッドか、今回の事件の犯人である夢川さんのどちらか。

 

ですが、夢川さんが毒を盛ることは、現実的に考えて困難です。

夢川さんはシェフでもなければ、ウェイトレスでもありません。キッドのように変装術も使えないので、料理を提供する前の段階で毒を仕込むことは不可能

となると、毒は料理を提供した後に盛られたことになりますが、それだと夢川さんは優作たちと対面し、隙を見て毒を盛らないといけません。優作は夢川さんを犯人だと見抜いていたわけなので、そんな隙は生まれないはず。

 

また、1058話では不審な人物が、コナンと有希子の会話を聞きながら不敵な笑みを浮かべていました。この人物も夢川さんではありません。

コナン「父さんにまだ事件の真相を聞いてねぇから…(中略)」有希子「さすが我が息子!」
(名探偵コナン1058話より引用)

一連のやり取りは、コナン=新一であることが前提になっています。夢川さんが聞いていたら大変なことになるので、これは優作に変装した人物と考えて間違いない。

 

ならば、毒物を混入したのはキッドなのでしょうか。

可能性はゼロではありませんが、大きな違和感が残ります。なぜならキッドは、あくまでも民間人を傷つけることなく目的を遂行するキャラクターだから。

これは長年にわたって守られてきたキッドの信念です。青山先生としても、よほどイレギュラーな状況でなければ、この設定を放棄するとは考えにくい。

 

もちろん、動機によっては「軽度の食当たり程度なら」と容認される可能性はあるでしょう。

ですが、そんなヘビーな動機に繋がるような伏線は、現時点では見当たりません。むしろ「ツンデレかよ?」というセリフが飛び出すなど、ノリはいつも以上に軽いですよね(笑)。

 

2. 優作に変装した人物=毒を盛った人物

こうなると、残るは「優作の食当たりは偶然で、キッドは本当に優作のピンチを知って駆けつけた」というパターンです。

キッド「せっかく工藤優作の大ピンチを見かねて…助っ人に来てやったのに…歓迎なしかよ?」
(名探偵コナン1059話より引用)

ですが、その可能性もないでしょう。なぜなら優作の食当たりを知っているのは、優作、有希子、コナンの3人しかいないから。ピンチを知らなければ当然、駆けつけることもできません。

それ以外で食当たりを知ることが可能だったのは、実行した犯人のみ。つまり、優作に変装した人物=毒物を混入した人物であることは、論理的に考えるとほぼ確定。

 

無理やり辻褄を合わせるなら、

仮説:キッドは何らかの計画のもと、コナンや優作に近づこうとしており、偶然にもコナンと有希子の会話を聞いた。そこで優作に変装し、計画を遂行しようと考えた。

とも解釈できますが……。その場合、キッドの当初の計画は、かなり場当たり的なものということに。

それに、食当たりのきっかけを「チラシ」にする必要もなさそうです。いかにも作為的なものを感じさせる「チラシ」ではなく、普通にレストランに行ったら食当たりした、でいいのでは。

 

こう考えると、優作に変装しているのはベルモットと考えたほうが辻褄は合います。

ただし、あくまでも「論理的に考えると」という言い方にはなりますが。最近の名探偵コナンはストーリーの複雑化やキャラクターの増加により、とても稀ではあるものの、ちょっとした矛盾が生まれているケースもあります。今回もそのひとつなのかもしれません。

とはいえ、それを差し引いても、この説は十分にあり得るのではないでしょうか。

 




3. 青山先生の細かすぎる伏線

優作に変装した人物=ベルモットと考えると、それを匂わせるような伏線も見つかります。

 

推理力の低下

コナン「…オメー腕…落ちたんじゃね?」キッド「うるせぇな!次行け次!!」
(名探偵コナン1059話より引用)

まずは、キッドの推理の腕が落ちていること。これは「中身がベルモットだから」と考えれば、説明がつきますよね。

実際、今回のトリックを推理するのは、決して難しくありません。それは僕の主観ではなく、作中の描写からもわかります。

基本的にコナンは、現場を捜査して推理を組み立てますが、今回は話を聞いただけで事件を解いてみせました。これは今回の事件が「難易度の低い事件」であることを示しています。

 

だとすると、それをキッドが解けないのはおかしなこと。

また、これまでの傾向を見ても、推理力の変動は「恋愛に夢中の平次」「友人のために事件と向き合う小五郎」のように、特定の条件を満たしたときに起きています。

今後のキャラクターの動かし方にも支障が出るので、キッドの推理力を理由もなく下げるとは考えにくいのではないでしょうか。

 

俺とオレ

さらには、こんな指摘をしているTwitterのフォロワーさんも。

今回のキッドの一人称は「俺」ですが、普段のキッドの一人称は「オレ」。これは作品を通して完全に守られてきたルールのようです。

もしかしたらこの食い違いも、キッドが本人じゃないことを示す伏線かもしれません。その場合、新出先生のメガネに代表されるような、極めて細かい伏線のひとつと言えそうですね。

 

4. ベルモットの目的は「工藤優作の調査」

では、優作に変装した人物=ベルモットの場合、その目的は何なのか。

パッと思いつくところだと、「工藤優作の調査」などが怪しいと思います。

 

そのポイントになりそうなのが、1058話でのこのセリフ。

優作「アドバイザーとしてね…仕事を減らして充電するために帰国したんですが暇で暇で…」
(名探偵コナン1058話より引用)

優作は自分が日本に帰国したことを、テレビで公表しています。

組織にとって優作は、殺したはずの工藤新一の父親であり、警察に協力して難事件を解決してきた名探偵です。特に新一を調査しているラムなら、この動きを警戒するはず

 

事実、ラムは波土禄道の新曲のタイトルが「ASACA」というだけで探りを入れていますし、組織は土門康輝を「今後の脅威になりそうだから(※ジョディの予想)」として殺そうとしています。

こうした前例を踏まえると、優作を調査する理由は十分。始末しないのが不自然とさえ言えるのではないでしょうか。

 

とはいえ、ベルモットが優作を本気で調査するかというと、それはなさそう。新一を守りたいベルモットにとって、組織が優作に目をつけるのは不都合です。

どちらかというと、ラムに対するポーズとして優作を調査している感じでしょうか。安室さんと同じパターンですね。

 

また、ここまでの仮説が正しかった場合、ベルモットが近づいてきたのも優作の作戦通りかもしれません。

そもそも優作が組織と戦うなら、帰国したことを公表するのは悪手。こっそりと帰国し、工藤邸には沖矢だけを残して、メアリーのように居場所を転々とするのが安全です。

それでも帰国をわざわざ公表したのは、優作が何らかの罠を張っているからとも考えられます。

 

だとすれば、そこに赤井さんが一枚噛んでいる可能性も。

コナン「そーいえば昴…赤井さんは?」有希子「FBIの用があるらしくて…今、丁度いないのよ…」
(名探偵コナン1059話より引用)

今回、FBIの用事で不在の赤井さんでしたが、優作の作戦に関わっているのではないでしょうか。たとえば、FBIがベルモットを捕らえるために工藤邸を包囲するとか。

あの方の正体を見破ったときもそうでしたが、優作はコナンよりも赤井と一緒に捜査を進めている印象なんですよね。これが高校生の息子に対する親心なのかは、いまいちわかりませんが……。

 




5. 次回の予想

ということで、ここからは以上を踏まえた次回の予想です。

 

まず、変装した優作の正体はベルモット。彼女はラムの密命を帯び、優作を調査するために工藤邸への潜入を決行した。

しかし、それは優作と赤井の作戦のうち。優作は帰国を表明することで組織をおびき出そうとしており、FBIと共にそれを迎え撃つ計画を立てていた。

そのため、優作の食当たりはもちろん演技。テレビ局のクルーが引き上げたタイミングで、優作と赤井が姿を現し、周囲をFBIが包囲していることをベルモットに告げる。

ベルモットは上手く逃げ果せると思いますが、次のシリーズが100巻に掲載されることを考えれば、これを皮切りに大規模な組織編がスタートするのかもしれません。

 

ここまで大外れで「優作は普通にキッドでした」というオチだったら拍子抜けですが(笑)、期待も込めてこんな予想にしておきます。

 

Twitterでもショートな考察を更新中。








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    ABOUTこの記事をかいた人

    子供の頃にベルモットの変装トリックに騙されて以来、生粋のコナンファン。考察は「DEATH NOTE」などにも似た頭脳エンタメだと思います。読み物として面白くなるように「わかりやすさ」と「サプライズ」を大切にしています。本業も物書き。