烏丸蓮耶を徹底考察!「集められた名探偵」に隠された黄昏の館の真実。烏丸とあの方の知られざる共通点【名探偵コナン考察】




暗号を解読する目的

大勢の学者を集め、半年以上にわたって暗号を解読しようとした烏丸蓮耶。その目的はなんだったのでしょうか。

千間探偵「自分の命が尽きる前に、その宝を一目見たいから捜してくれという話だった…」
(名探偵コナン30巻から引用)

表向きの目的は「母の遺産を一目見るため」だったようですが、これは嘘だと思います。

 

最終的に館を手放している

確かに、以下の考察でも話した通り、あの方の性格には情緒性があります。

名探偵コナンの黒幕「あの方」の正体をネタバレ考察。15の伏線から見える2人の候補者とは?【名探偵コナン考察】

2017年12月3日

また、ベルモットも「自分の胸を貫いた」ことを理由にコナンを「銀の弾丸」とみなしている。おそらくあの方を改心させたいと考えているため、「改心させるに値する人格」なのも確かでしょう。

とはいえ、学者たちを惨殺している以上、さすがに「母の遺産を一目見たい」なんてハートフルな目的ではなさそう。

 

なにより烏丸は、最終的に黄昏の館を手放してしまっています

「母の遺産」は唯一無二。学者を殺すほど執着していたなら、現在も手元に置いていないのはおかしいです。

 

また、そもそも館を手放したからには、目的はすでに達成されたか、必要なくなったかのどちらか。“用済み”でなければ、やはり所有権は維持するはずですからね。

 

目的は金ではない

ならば、烏丸の目的はなんなのか。少なくとも「金」ではなさそうです。

なぜなら、烏丸は学者たちに莫大な報酬を支払っているから。

千間探偵「とても割のいい仕事らしく、毎日父の手紙と一緒に大金が送られて来るから私も母も喜んでいたけど、半年後、手紙もお金もぱったり途絶え、行き先を教えなかった父は行方不明…」
(名探偵コナン30巻より引用)

感覚値ですが、大金と表現するからには10万〜20万円ではないような。仮に100万円だったとして、それを半年間も毎日、大勢の学者に支払ったら、投資額は10億円以上

 

これほどの巨額を簡単に動かせる人間が、今さら金を目的にするとは思えません。

また、烏丸は死期を予感していました。金は使うためのものなので、消費する時間のない人間には価値がないはず

 

本命の目的については後ほど仮説を書きますね。

 

40年前に「幼児化」「不老」は存在しない

ちなみに、巷では「烏丸は幼児化または不老になって生きている」と言われていますが、惨劇のあった40年前に「幼児化」「不老」という現象は存在しません。

 

なぜなら、千間恭介曰く烏丸は、死期を予感して焦っているから。

烏丸やその部下が「もうすぐ死にそうで〜」なんて話すわけがないため、これは恭介の目で見た事実。幼児化・不老という現象があるなら、なんら焦る必要はありませんよね。

 

そして、死期を予感するということは、烏丸の余命は長くても2〜3年。

烏丸がもし現在も生きているなら、その2〜3年以内に幼児化・不老の技術を作ったということに。つまり、37〜40年前の間です。この時系列は覚えておくとよさそうですね。

 

烏丸蓮耶と惨劇の全容

それでは最後に、40年前の惨劇の全容を考えてみましょう。ここから先は矛盾点も承知の上で、ひとつの仮説を話しますね。

 

烏丸蓮耶は不老不死の実現のために学者を集めた

烏丸は40年前、大勢の学者たちを召集しました。表向きは「母の遺産を一目見たい」という名目でしたが、実際には「母の遺産に不老不死を実現するカギがある」と考えていたのではないでしょうか。

 

烏丸に遺産を残していることからも、母親は富豪。烏丸自身、一代で地位を築いたのではなく、古くから続く「烏丸家」の一員として権力を持っていたようです。

そのため、生前の母親が、不老不死などの企みを抱いていても不思議ではありません。死期を感じた烏丸は、その手がかりを探すために遺産へと目をつけた。

 

しかも、その目的は結局、達成されてしまったのだと思います。

 

“長寿薬”は完成していた

ここでひとつ、館内の状況をシミュレーションしてみましょう。

烏丸は死期を感じていました。どうやって死期を悟ったかは不明ですが、病死ではなく寿命死を予期していたのでしょう。組織の現在の研究は、寿命をコントロールするもののようですからね。

しかし、暗号は一向に解読されない。追い詰められてきた烏丸は、生き延びるための別の方法を模索したと思われます。

 

そして、その場にいたのは学者。千間恭介は考古学者でしたが、ほかに医学や生物学の専門家もいたはず。学者を集めたのはおそらく、暗号を多角的に分析するためですからね。

烏丸は彼らに、寿命を延ばす方法を考えさせたのではないでしょうか。

 

ベルモット「でも、まずはシェリー、貴方…恨むのならこんな愚かな研究を引き継いだ貴方の両親を…」
(名探偵コナン42巻より引用)

ベルモットは宮野夫妻の研究について、「こんな愚かな研究を“引き継いだ”」と話しています。つまり、研究には専任者がいる。その人物こそが、集まった学者のひとりだったとか。

 

かくして、寿命を延ばす“長寿薬”は完成。烏丸はそれを服用することに。

しかし、検証不足の薬だったために後遺症が残ってしまいました。たとえば、普通の人のように毎日少しずつ老化するのではなく、毎日少しずつ若返ってしまうなど。細胞の寿命を司るテロメラを伸ばし続けてしまうわけですね。

組織の現在の目的は、こうして逆行するようになった烏丸の時間を元に戻すことかも。つまり“老化薬”

 

……と話してみたものの、これでは板倉のソフトの出番がなさそうですし、ベルモットが「あんな愚かな研究」と忌み嫌ったり、宮野エレーナが「銀の弾丸」を作ったりする必要もありません。

あくまでもひとつの仮説として、考察のヒントにしてもらえたら幸いです。

 

考察の結論

3 Lines Summary

  1. 烏丸蓮耶は100〜120歳の間に死を偽装した
  2. 烏丸蓮耶とあの方の共通点は「慎重居士」
  3. 40年前に「幼児化」「老化」という現象は存在しない
Twitterでもショートな考察を更新中。








4 件のコメント

  • はじめまして。いつも楽しく慧眼を拝見しています。

    自分は黒の組織関連が好きでよく妄想考察して楽しんでます
    最近のトレンドは黒の組織の目的(金の流れ~)と極秘プロジェクトの関係
    宮野理論、APTXの効果ですね。

    APTXは、選択的な細胞自死を促す為の薬剤と仮定して考えてます
    ※例えばガン撲滅とか、奇形の正常化とか?あるいは回復促進のような。
    また、ピスコのエピソードでは薬への効果を見た彼の発言は、幼児化ではなく傷を縮め、回復させた
    作用、止血とかに対し驚嘆したという解釈です。
    あの事件の際、灰原は銃弾が何発か体を掠め、出血を大分していました。それが幼児化した時、傷口自体が閉じたか最低でも縮まっていたと見られるのではないかと。
    これは新一の命懸けの復活エピソードからは更に類推が可能で、灰原の発言「死ぬかも知れないけど、飲んでみる?」は、薬の副作用や失敗を考えた脅しみたいなもんですが、更に言えば元の体に戻った時、銃創が開く可能性を考慮した考え方も出来る。
    一応メタな発言ですがコナンの海パン姿や灰原の水着姿に古傷の痕がない点、気になってます。

    • コメントありがとうございます!

      なるほどなるほど…めちゃくちゃ面白い考察ですね。ピスコの一件や灰原のセリフに関してそのように考えたことはなかったです!確かに、APTXが選択的な細胞自死が目的であれば、一連のシーンはそう解釈することも可能ですね。

      僕も細胞の自死を利用した病気の治療という線は結構あると思ってます!ただ、個人的には「宮野厚司の目指した研究の正体が」「選択的ではない細胞自死による病気の治療」なのかなと。

      その場合の薬の効果はいくつかのパターンが考えられますが、いずれにせよ爆発的な細胞自死を誘導してがん細胞などを死滅させるわけなので、マッドサイエンティストと呼ばれながら薬の完成を目指したことと繋がります。

      組織の目的についても自分なりの回答はあるんですが、いろいろな事情でもうずっと表に出せておらず…笑 おそらく近々コンテンツ化するので、よかったら見にきてください〜!

      • 愚説に返信頂きありがとうございます!

        その後、考察を続け、気になる点が少し出ましたので追記致します。

        ①2元のベルモット
        「こんな愚かな研究を…」の下り。
        こんな、と表現しているのが凄く気になりました。

        仮に幼児化したシェリーを指すなら、そんな、が正しいんではないですかね。近くにいたコナンを指したならギリギリあり得るかどうか。
        ふつうに解釈するとベルモットに何らかの薬の被害が出たと見做すべきなんでしょうね

        ②その後、銃で受けた顔の傷、脚、右腕の傷…気になります

        逃走後の電話を右手で持っているんですよね
        ベルモットは痛覚があるんでしょうか?笑
        それにミストレ前のベルモットの半裸姿にも傷ひとつない。
        ジンには頬に傷がある。
        枕のシワや眼鏡のツルに伏線を張る漫画が、銃創を描かない…銃創が消えている描写と考えられる…

        従ってベルモットが組織の研究の検体なのは推定出来ます
        幼児化自体が都合の悪い…(研究の進歩?)ということも。

        やはり傷の治癒がAPTXの効能の過程かも?
        ベルモットがボスのお気に入りなのは結局、検体だからというのが現在の解釈です。
        新しい研究結果を渡したくない、のがシェリーへの殺意の半分。半分は薬害への恨み。
        それにベルモットはアイデンティティの喪失や別人になる事をひどく軽蔑しているようです。
        証人保護プログラムとか。

        ベルモットはシャロンとして生きる事が出来なくなりました
        そしてクリスは(作者の言葉に倣えば)架空の存在。
        江戸川コナンにもシンパシーを感じるのも判らなくもない。
        シェリーには自業自得の側面もあるのかもしれないし、
        薬害で、死ぬより辛い目に合う人を増やしたくないのかも。

        例えば若いままでも、戸籍がない人間にまともな人生があるでしょうか

        不老(外見だけ)だとしても(不死ではない?)いずれメリットの損益分岐点は訪れる。
        それを知るからこそのベルモットの動機ではないかと。
        はっきり言えば…研究の進捗=次の検体はベルモット。
        次に飲んで生き延びる保証はない。研究を続ける程ベルモットが不利になる状況。だからAPTXリストに名がのるコナンの正体を隠すし(シルバーブレッドだからでもあるが)
        リスト外で幼児化したシェリーは余計にリスク。
        ※以下完全妄想
        そして、コナンにはあの方に烏丸蓮耶としての終焉を与えてほしいと考えている。
        今、最早烏丸蓮耶はこの世にいない。おそらくですが、今も烏丸蓮耶としては存在していないかもしれない。
        あんたがボスだ。ではなくあんたが烏丸蓮耶だ、と言わせたいと考えている。

        駄文乱文失礼しました。
        これからも応援しております

        • 追加のコメントありがとうございます!


          「あんな」でも「そんな」でもなく「こんな」なのは含みを感じますよね。個人的には、哀ちゃんに対して「こんな」でも成り立つと思いますが、いずれにせよその場に「愚かな研究」の核心は存在したと考えていいと思います!


          傷の治癒や検体の件ついては別の意見ですが、ベルモットの動機についてはほぼ同感です。おっしゃる通り、証人保護プログラムを「馬鹿げた制度」と一蹴してるのもその一部だと思います。実はAPTXの効果や組織の目的、ベルモットの事情についてはもう1年前くらいに考察済みなので、近々ちゃんとアップします…笑

          >あんたがボスだ。ではなくあんたが烏丸蓮耶だ、と言わせたいと考えている。
          そう思います!現在の名探偵コナンは、あの方の正体を当てるゲームから烏丸の正体を当てるゲームに変わってると考えています。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    子供の頃にベルモットの変装トリックに騙されて以来、生粋のコナンファン。考察は「DEATH NOTE」などにも似た頭脳エンタメだと思います。読み物として面白くなるように「わかりやすさ」と「サプライズ」を大切にしています。本業も物書き。