安室透の恐れている人物はコナンと黒田?
また、安室は作中で「自分が怖いのは2人だけ」と言っています。ひとりはコナンのことらしいので、もうひとりはウラ理事官である黒田かなと。
他に想像できるのは、赤井、ラム、宮野エレーナくらいでしょうか。
しかし、赤井は憎悪の対象であって恐れている素振りはない。むしろ、緋色編では工藤邸に乗り込んだり、映画「純黒の悪夢」では赤井とのアクションシーンを繰り広げたりと、果敢に挑みかかる姿を描写されています。
ラムに対しては畏怖を抱いているのは確かですが(以下の記事にて説明しています)、安室は討つべき敵を恐れるような性格ではありません。
仮に恐れていたとしても、部下である風見に対して「ラムが怖い」という主旨の話はしないはず。
エレーナに関しても可能性は低いですね。
青山先生はすでに「安室の初恋はエレーナ」だと明かしていますし、実際に原作の1010話でも安室はエレーナを「あの女性(ひと)」と表現しています。これは、エレーナをただの「人」ではなく「女性」として意識しているからこそ。
また、これは別の記事にまとめると思いますが、おそらく安室はエレーナに関する記憶がやや曖昧。そんな相手を恐れているとは考えづらいですよね。
残るは黒田兵衛のみ
となると、残る候補者はウラ理事官である黒田のみ。先ほど話した「映画内の伏線は映画内に回答がある」という理屈から考えても、この可能性は高いでしょう。
気になるのは、黒田を恐れる理由。安室ほどの人物が恐れるからには、過去に相応の出来事があったはず。
あるいは、黒田と安室は旧知の仲なのかもしれません。だからこそ安室は黒田の恐ろしさを知り尽くしている、というパターン。
高明「今の課長は紅茶党だったかと…」
(名探偵コナン86巻より引用)
黒田が紅茶党なのも、安室がイギリスにいた頃からの知り合いという伏線とか。とはいえ、日本出身でないと公安に加入できないので、安室がイギリスに住んでいた可能性は低いかも。
ちなみに、安室は幼少期にイギリス人とのハーフであるエレーナと交流があったり、青山先生から「色黒なのには意味がある」(=ハーフである示唆)とコメントされていたりと、出生にまつわる謎が多いです。
「僕の恋人はこの国さ」と言ってのけるほどの愛国心も、そのあたりの複雑な事情があって芽生えたものかもしれませんね。
2018年5月18日追記:恐れていたのは赤井
その後、シークレットアーカイブス内での青山先生のインタビューによって、安室が恐れるもう一人は赤井だったとわかりましたね。
答え合わせになりますが、確かに赤井を恐れている伏線は作中に散りばめられていました。
伏線1. 赤井の実力を評価しているのは安室
たとえば、赤井の実力を誰よりも評価しているのはあの方(=銀の弾丸として恐れている)と安室でした。
安室「アイツに自分の拳銃を渡し…そうさせたのは赤井秀一…あれ程の男なら自決させない道をいくらでも選択出来ただろうに…」
(名探偵コナン90巻より引用)
▲「自決させない道」というと簡単そうに思えますが、つまりはスコッチを無事に逃がすことなので、かなりの芸当。しかし、安室は「あれほどの男ならいくらでもできた」と考え、あまつさえそれを怒りの理由の一つにしています。これは、赤井の実力を高く評価している証拠。
また、こちらのツイートにも書きましたが、火傷赤井に変装してまで赤井の死を疑ったのは、「あの赤井があっさり殺されるわけがない」と考えたから。
赤井が「安室が恐れる2人のうちの1人」だからだと思います。恐れているということは、それだけ実力を熟知し評価しているわけなので。殺害ビデオでのあっけない経緯が、むしろ赤井が生きている可能性の高さを感じさせたのかな〜と。
— Hiro@名探偵コナン考察ブログ シルバーブレット (@conan_sb_black) May 17, 2018
キールによる殺害ビデオのあっけなさが、逆に「赤井は生きている」という仮説を後押ししたのだと思います。以下のようなロジックですね。
- 赤井に抵抗の意思があったらもっとキールは苦戦しているはず
- つまり、赤井に抵抗の意思はなかった
- 加えて、赤井は簡単に死を受け入れる人間でもない
- ということは、赤井は何らかの作戦を事前に用意しており、生きている
伏線2. 赤井と安室はお互いを脅威に感じている
さらに、赤井側も安室を「敵に回したくない相手」と語り、実力を認めています。
赤井「目先の事に囚われて…狩るべき相手を見誤らないで頂きたい…」
(名探偵コナン85巻より引用)
このお互いを認め合っている構図は、ある意味ではお互いを脅威に感じているとも受け取れます。おそらく赤井も安室を恐れている、そんな奇妙な関係なのでしょうね。
伏線3. 「怖い」は「怯え」という意味ではない
最大のポイントは、今作の「怖い」という言葉を、安室は「怯え」という意味では使ってなかったこと。もし怯えているなら、怖い対象の一人であるコナンを利用したりはしません。
少なくとも、安室は「怖い」と表現する相手であっても、利用したり挑発したりできる。それを踏まえると、過去に赤井へと挑みかかっている安室ですが、赤井を恐れていたとしても矛盾は生まれない。
赤井のことになると感情的になりがちな安室ですが、どうやら「赤井を憎む一方で、恐れてもいる」という自分の内面とも冷静に向き合っていた様子。常に自分を客観視する“もう一人の自分”を秘めているのが、安室透という人間なのかもしれません。だからこそトリプルフェイスも務まるのか。
これは…安室を見誤っていました(笑)。
考察の結論
3 Lines Summary
- 黒田兵衛のセリフは「ぬかるなよ、バーボン」
- 黒田兵衛の正体はラムではなく公安のウラ理事官
- 安室透は赤井秀一を恐れており、その伏線は作中に散りばめられていた
最後に気になったのは、安室の「愛の力は偉大」というセリフ。もうこれ、コナン=新一ってバレてるじゃん(笑)。
いや、幼児化を見破られていたら灰原の正体も突き止められてしまうので、それはないはずなんですけど。安室さんなら「そこまでわかってるなら、全部わかるよね」と思わざるを得ない。まあ、証拠がないだけで、もうだいたいバレてるんでしょうね。
黒田が公安というのは間違いないでしょう。
しかしそれはラムを否定するものではない。
つまりラムとは黒田(公安から潜入のスパイ)
組織のNo2までスパイだったら記事内でも言われてるようにギャグにしかなりませんよね笑笑
本編で言われないとわかりませんが、黒田=ラムor黒田=公安の選択肢しか無いと思いますね
>鹿波さん
同感です!黒田がスパイでナンバー2までのし上がったとかだったら、もはや主人公交代していい活躍ですよね(笑)。スコッチも自殺する必要なさすぎますし。
残るは黒田=ラムで公安に潜入していたパターンですが、その場合、映画でのやり取りからして安室もそれを知っていることに。安室は自分の正義を貫く人物なので、黒田をラムと知りながら公安の実権を握らせることはしないと思います。
私は安室が恐れているのはベルモットなのかと思いました!安室とベルモットが血縁関係にある可能性はないでしょうか?二人ともあのお方と関連するとか?髪色が同じなのが気になります。その血縁こそがベルモットの秘密(年齢など)を暴く鍵となり、それが安室の握っているベルモットの秘密…みたいな!以前の車内でのやりとりも家族の口喧嘩っぽい気がしました。
ベルモットとバーボン(ライでも可)のカクテルにマンハッタンと呼ばれるお酒が存在します。カクテルの女王と呼ばれるお酒なので、この二人と関連する人物があのお方ってこともあるといいなーなんて。
この考え方の場合、安室さんは二重スパイではなく、公安にスパイとしている組織の人間になってしまいます。赤井とライバルの関係(ガンダムのアムロとシャアの関係)であるのでそうだといいなという願望も込めてます(笑)
以前はジュディ先生と安室の目の色が同じ回があったので、実は保護プログラムをうけたきょうだい!?と思うこともあったのですが、ベルモットのほうがワクワクする展開な気がしたのでそうしました。
だいぶドリームな考察になってしまいましたが、我慢できずコメントしました。すみません。
コメントありがとうございますー!お返事遅くなりました!
なかなか面白い考察ですね! ジンですら知らないだろうベルモットの秘密を安室だけが知り得たことに理由があるのは確かですよね〜。おそらく安室が初恋の相手であるエレーナを調査し、そこからベルモットの秘密に辿り着いたと踏んでいましたが、最初からベルモットと何らかの接点を持っていたなら納得です。
一方で、安室は自分がベルモットに殺されたときに備えて仕掛けを施しているので、ベルに親愛の情はなさそうなんですよね。あとは、ベル側は安室が公安だと気づいてないので、その辺りをどう説明できるかもネックになるかもしれませんね。
また面白い考察をした際には教えてくださいー!私は理屈っぽく考えちゃうので、新規性のある説はあまり思い浮かばないので助かります〜(笑)。
はじめまして、コメント失礼致します。
実はコナンを読んでいたのはかなり昔なのですが、黒の組織のボスが遂に判明と最近耳に挟んだので、ネットを検索して色々調べていたところこちらに辿りつきました。
記事を一通り読ませて頂いたのですが、登場人物を全然知らなくてもワクワクする考察ばかりで、今ではまた一から読んでみたいと思うようになりました。
こちらに辿り着くまでに他のサイトやブログも見てみたのですが、記事の内容の充実度やデザインなども含めて1番面白かったです。サイトやブログに関して無知なのですが、これは管理人様がご自身でデザインされたものなのでしょうか?(本当に見やすいです)
結局コナンの話に関係ないことばかりですみません。これから単行本読んでいくつもりなので、話を理解した上でまたこちらの記事見に来させて頂きます。
コメントありがとうございます!予想外の高評価めちゃくちゃ嬉しいです〜!
ブログに関してはテンプレートは導入してますが、基本的には自分でカスタマイズしてデザインしてます。考察という小難しいテーマを扱う以上、見やすさとわかりやすさは気をつけていたので、ご評価いただけてありがたいです。
コナンはちょっとした日常回に伏線が潜んでいたり、頑張って考察したらある程度答えも出るように作られているので、ぜひ一から読んでみてください!その際には考察談義しましょう〜(笑)
はじめまして、いつも考察を楽しく読ませていただいています。
私、コナンくんの誕生日である今日5月4日にゼロの執行人を観に行ったのですが、記事になさっている黒田の口パクについて、やはりバーボンが正しいと思います。というのも、口パクする際に、口が一度閉じていた(唇がくっついていた)ので、高木刑事が監禁された事件のときのような推理で、バ行の入っている[バーボン]の方が正しいんではないかと思いました。まとまっていない推理(といえるのかな?笑)ですが、どうでしょうか??
これからも楽しく読ませていただきます!!頑張ってください(^-^)/
コメントありがとうございます!粋な日に映画を観に行かれていて羨ましいです(笑)。
おお、唇をくっつけて発音してたんですね。口を閉じた状態からラムと言っても唇をくっつけた状態からのスタートになりますが、それとは別な感じですか?であれば、よりバーボンと言っていた可能性は高いと思います!
応援励みになります〜!これからも楽しんで読んでもらえたら嬉しいです。
黒田は公安のボスで、安室の潜入捜査そのものを指揮する立場かな、と私は思います。なので、ラムではないと考察します。また、安室はラムが誰だか知らないと思います。これも、黒田がラムではないと考える理由の一つです。
『純黒の悪夢』の最初のシーンで、キュラソーのオッドアイを見たとき、安室は驚いていましたよね。あれは、彼女がラムかと思い驚いたわけなので、安室はラムを知らない。だから、黒田がラムだと色々と辻褄が合わなくなりますよね。
これからも、記事を楽しみにしています!
コメントありがとうございます!
おお、恥ずかしながら実は純黒は一度しか視聴しておらず、キュラソーの描写は完全に見落としていました。それを踏まえると、確かに安室はラムを知らないことになりますね。
安室がラムを知っていた場合、原作で優作たちと共闘したらラムの正体も明かされちゃうなーと思ってたんですが、それもわからなくなりそうです。
これからもぜひご覧いただけましたら幸いですー!
こんにちは。
とても興味深い考察でなるほどなーとおもいました!
2人の怖い男に感じでは先日発売したシークレットアーカイブスで青山先生がコナンと赤井だとおっしゃってましたね。
今後も記事楽しみにしております!
コメントありがとうございます!納得感あったならよかったです!
怖い男は赤井でしたね〜。他人の心理に敏感な安室ですが、自己分析もしっかりできているということかもしれないです。外からは恐れているように見えないけど、内側では恐れを自覚して受け入れていると。強い憎悪の中でも冷静に理性を保っている、安室はそういう人間なのかなあと思います。
応援励みになります〜!ぜひまた来てくださいね。
はじめまして。コメント失礼します。
感想、考察とあってカテゴリ違いかとも思いましたが映画のよく練られた展開に思わずコメントしたくなりました。
全体の考察とは違いますが、映画で
「君の言う『安室透』という男は人殺しだ」からのシーンで「自殺に追いやった」のところでカラスが飛んでいくカットがありました。
カラス=黒の組織、自殺に追い込んだ、つまりはスコッチのことをこんなワンカットで表現するなんてとにづいた時思わず呆然としてしまいました。
それに、まさかスコッチのことを触れると思っていなかったので………
Hiroさんは作中でそういった発見をしましたでしょうか?
ありましたら今度注目したいのでぜひ教えていただきたいです
風見の、安室が「自殺に追いやった」という発言。これはスコッチのことではありませんよね。映画の登場人物、羽場二三一が、安室の取り調べの後に自殺したことを指しているのです。実際は、自殺したことにして生きていたわけですが、風見はそのことを知らなかったので、「安室という男は人殺しだ」という発言になったわけです。
コメントありがとうございます!
確かに、めっちゃ面白い解釈ですね!!普通に演出上の描写かと思って気づきませんでした。今作には他にもウィットに富んだ皮肉が描かれているかもしれませんね。私は推理するのに夢中で、そういったところ全く拾いきれてなかったです…。
「映画で注目するべきポイント」という意味で言えば、コナン映画は「Aという伏線を、次に出てきたBやCという伏線で推理できる」設計になってるので、そういった目線で見ても面白いかもしれません。たとえば、風見と境子の繋がりが示された後に「協力者」というワードが出た時点で、二人の関係性は推理できる、など。
作品の傾向をつかむのもコツで、たとえば、序盤でドローンが出た時点で「今作はテクノロジー盛り込んでくるんだな」と解釈する。そうすると、家電やPCが爆発するシーンで「IoT家電を狙ったサイバーテロだな」とすんなり推理できるわけです。
別角度の回答になっちゃいましたが、私から言えそうなのはそんな話くらいでした…(笑)。
劇場に2回足を運んで分かった事を書きます。
黒田の電話相手は赤井かもしれません。
というのは通話中の黒田のスマホに「アンドレ」という文字が見えました。
爆風でよくわからないシーンですが赤井がどこからか衛星のパラシュートロックを撃ち抜いたのかもしれません
後者はただの予想ですが前者のアンドレは本当です。キャメルですよね。
「アンドレ」じゃなく「アドレ」ではありませんでしたか? めちゃくちゃややこしいんですが、多分「アドレス」です(笑)。
仮に「アンドレ」だとしたら、通話画面に表示されてる名前なので通話相手=キャメルということになります。キャメルに「ぬかるなよ、○○」と口パクの演出をしても仕方ないので、おそらく「アドレス」だったんじゃないかな〜って思います…!
あれ?そうだったんですかね笑
でもあの画面にアドレスって出るのは不自然じゃないですか?
通話ですよね
でもエクスペリカンは出るのかな笑
となると「ゼロ」でしょうか
画面の描写がうろ覚えなのでなんとも言えませんが、確かにそれは思います。エクスペリカンは出るのかもしれません(笑)。
記事に書いた通り、個人的には「バーボン」派です!口の形はもちろんのこと、最初の音の長さからして「○ー○○」なので、バーボンかなと。黒田はゼロを統括する裏理事官だと思ってます。
安室の「愛の力は偉大」というセリフは、コナンの正体を新一だと気づいたからではなく、安室が幼少期に年上のエレーナに恋をした経験から、同じく年上の蘭に恋をしているコナンに共感したためではないでしょうか?
それだったらつじつまも合うし、ほっこりしますよね(笑)