名探偵コナン1036話 感想&考察。灰原哀は赤井家の家族になるかもしれない【サンデー感想】

名探偵コナン1036話「アダルトな子」感想&考察です。

「沖矢と世良と灰原の話」の第2回。徐々に3人の関係性に動きが見えてきた回でした。また、ラム編を深読みさせる描写もありましたね。

ということで今回は、

  • 沖矢は「あの質問」にどう答えるのか?
  • 沖矢の行動は2つの目的を兼ねている
  • 宮野明美のメールのP.S
  • 灰原に漂う「ハッピーエンドの予感」

など、名探偵コナン1036話から気になったポイントを考察します。

 

ネタバレ注意です! 

 




1. 沖矢に対する世良の追求

さて、まずは今回最も気になるこのシーンから。

世良「どうしてわかったんだよ? ボクが女だって…」
(名探偵コナン1036話より引用)

前回の考察で予想した通り、世良が沖矢を疑う展開になりましたね。それにしても、改めてセリフにされるとすごい質問(笑)。

 

これに対して沖矢はどう返すのか。

沖矢は「工藤優作の未解決事件」で世良と面識を持っているので、おそらく「以前お会いしたじゃないですか」とか「確か世良さんですよね?」とか、適当にはぐらかすのかなと思います。

 

一方で、単に誤魔化すだけではない可能性もあります。

世良「ボクが阿笠博士の家の門の陰から中の様子をうかがってた時に…声をかけてきただろ?」
(名探偵コナン1036話より引用)

▲沖矢は阿笠邸の前にいる世良を自ら誘っています。これは「妹に聞いておきたいこと」を聞き出すという明確な意図の表れ。

となると、沖矢は世良から情報をどう聞き出すのか策を用意していると思われます。その場合、世良に疑われているのもミスではなく、沖矢の術中かもしれません

 

たとえば、沖矢は「最近は男性のような服装の女性も多いですから」と回答した上で「あなたの周囲にもいませんか? 男性のような女性が」と聞き返すとか。

こちらも前回の考察に書きましたが、沖矢の「聞いておきたいこと」はおそらく「浅香(=若狭留美)が近くにいるかどうか」。この質問なら自然に聞き出せるのではないでしょうか。

 

もちろん、これはあくまでも一例。赤井さんならもっと上手に聞き出すと思いますが(笑)、いずれにせよ世良に疑われるのは沖矢の計算通り、という可能性はゼロではなさそうです。

 

2. 灰原に対する沖矢のフォロー

さて、次にピックアップしたいのはこのシーン。

沖矢「異常でしょうか?」世良「あん?」沖矢「今や小学生でもスマホを持っている時代…」
(名探偵コナン1036話より引用)

世良に「君も飲んだんだろ?」と詰め寄られる灰原を、沖矢がフォロー。このシーン、沖矢は灰原を庇っただけに見えますが、世良を「こちら側のエリア」に入れない意図もあったと思います。

なぜなら赤井は秀吉には生存を明かしているけど、世良には隠しているから。これはおそらく妹を血なまぐさい世界に関わらせないため。

 

もちろん、沖矢には灰原を守ろうとする意図もあったと思います。

明美「大君…もしもこれで組織から抜けることができたら今度は本当に彼氏として付き合ってくれますか 明美 P.S」
(名探偵コナン58巻より引用)

▲生前の明美から赤井へと送られたメール。「P.S」の続きは明かされていませんが、その後の赤井の行動を見る限り、ここに書かれているのはおそらく「妹を守って」という主旨の文章。

灰原「そうしたいのなら無理やり連れ込めば?」沖矢「そんな無粋な真似はできませんよ…」(彼女との約束なんでね…)
(名探偵コナン89巻より引用)

▲事実、沖矢は「彼女」となんらかの約束を交わしています。「彼女」は明美以外に考えられず、約束の内容は灰原に「無粋な真似」をできなくするもの。

コナン「守んなきゃいけねぇ奴が…いるからな…」
(名探偵コナン85巻より引用)

▲そして、その事情をコナンも知っています。だからこそ木馬荘の事件のときにも、沖矢を工藤邸に住まわせることを瞬時に決断しています。

 

そう考えると、今回の沖矢の行動は、

  • 「灰原を守る」という明美との約束
  • 「妹を守る」という家族愛

これらを兼ねた行動になっているとわかりますね。

 

余談ですが、赤井は灰原についてこんなセリフも残しています。

赤井「それに、俺はまだその茶髪の少女と顔を合わせるわけにはいかないんでな…」
(名探偵コナン42巻より引用)

赤井は明美の死に責任を感じており、灰原と顔を合わせられないと考えています。灰原を守るという約束を堂々と全うできるようになったのは、沖矢昴という仮初めの姿を得たから

おそらく赤井は、組織を壊滅させるまでは灰原と顔を合わせられないと考えているのではないでしょうか。「まだ」顔を合わせられないという言葉からは、そんな強い覚悟を感じます。

 




3. 相性の良さそうな灰原と世良

続いては、今回のタイトルにもなっている世良のセリフ。

世良「やっぱアダルトだねぇ…」
(名探偵コナン1036話より引用)

世良ちゃんはコナンに対してもそうだけど、本当にズケズケいきますね(笑)。

ただ、灰原もそんな世良に鬱陶しそうな表情をしていたり、前回も「悪い?」と開き直っていたりと、あまり警戒している様子はありません。だからこそ、難しい言葉を使うのも控えないわけで。

 

ここまでのやり取りを見ている限り、この2人の相性は良さそうなんですよね。

世良は「底抜けに明るい」という設定を与えられており、灰原の複雑な事情を知ってもフラットに接するはず。ズケズケくる相手にはズケズケいけるというのもあるし、灰原も心を開きやすいのかなと。

 

もしかしたらこれは、物語の核心に関わる設定なのではないでしょうか。

なぜなら灰原は、最終的に赤井家と家族になるかもしれないから

青山先生「灰原哀ちゃんは最後、ちょっといい思いをします。それを描くのはいつかわかりません」
(Singapore Writers Festivalのインタビューより引用)

青山先生はさまざまなインタビューで、灰原の最後は「ちょっと良いものになる」という主旨のコメントを残しています。言い換えれば、灰原は最後に少し救われるということ。

灰原の絶望の始まりは、姉と両親を失って天涯孤独になったことです。そう考えると、赤井家と宮野家をあえて血縁にしたのは、そんな灰原にご褒美を与えるための優しい設定とも解釈できます。

 

だとすれば、今回の世良との絡みは、灰原のハッピーエンドに向けた布石かもしれません。

大人に戻った宮野志保は、世良の良い姉貴分になりそうな気も。いずれ世良が、灰原と赤井家の距離を縮める橋渡し役になったら面白いですね。

 

4. 羽田浩司殺人事件との類似点を考える

さて、3つの堆黒盆のうち2つが贋作であることなど、ラム編を暗示している節のある今回の事件。

前回の考察でも少し触れましたが、

高木刑事「犯人は、被害者を槍で殴り倒した後…阿笠さんがやって来たのでタンスかどこかに一旦身を潜め…(中略)その槍で今度は背中を刺してとどめを刺したんだろうという事です…」
(名探偵コナン1036話より引用)

これも羽田浩司殺人事件の真相を暗示しているように見えなくもないですね。

 

羽田浩司の死因はAPTX4869ですが、その前に暴行を受けており、おそらく意識を失うか朦朧とした状態で薬を飲まされています。

つまり「先に殴り倒してからとどめを刺す」という状況は、羽田の殺害された流れと一致する。そして、この「暴行」と「薬の投与」の間に、別の誰かが介入した可能性はゼロではありません。

事実、ラムは現場に残されたダイイングメッセージを放置している。これは、別人の介入によって現場を改める時間を確保できなかったからとも考えられます。

 

では、その「別人」として考えられるのは誰か。

真っ先に思いつくのは若狭留美。ですが、若狭は1033話の回想シーンで、現場に倒れた羽田浩司とともに「馬鹿な奴…」という言葉を思い出しています。

もし羽田を助けようとした立場なら、この言葉は出てきません。

補足:たとえば、虫の息の羽田に「馬鹿な奴…」と言ってから助けを呼ぼうとするのは違和感。逆に、助けを呼んで戻ったら殺されていた羽田を見て「馬鹿な奴…」も違和感。どちらのパターンでも「馬鹿な奴…」という言葉は噛み合いません。

 

そもそも若狭=浅香と仮定した場合、浅香は現場から忽然と姿を消した存在であり、誰にも助力を求めていないはず。つまり、阿笠博士のように助けを求めたという前提は成り立たない。

残る可能性は、若狭がラムを追って現場を離れ、その隙に羽田を殺されたパターンでしょうか。この場合の「馬鹿な奴…」は「私はなんて馬鹿な奴…」という自責の言葉。

一応は成り立ちますが、強引ですね。若狭を“介入者”だと考えるのは難しいかも。

 

だとすると介入者は、若狭と同じく現場を見ている黒田兵衛でしょうか。彼なら阿笠博士のように助けを求めていたとしても矛盾はありません。

ただ、これだと現場の人の出入りが多すぎてもうガバガバ(笑)。介入者の有無については、新たな情報が入ったらまた考えたいと思います。

 

5. 事件についての考察

最後にいつも通り、事件についての考察も少し。

 

今回、阿笠博士は「真横にひっくり返した」と話していますが、重要なのは「何に対して真横か」なのかなと思います。

おそらく阿笠博士は血の指の跡ではなく、西津さんの体に対して真横に盆をひっくり返したのではないでしょうか。西津さんは盆に対して斜めに跡をつけていました。そのため、西津さんの体に対して真横に盆を反転させると、血の跡はくちばしではなく向かって左の羽根の裏側になります。

そう考えると、遠島さんの盆がドンピシャ。ストレートに考えれば、犯人は彼ですね。

 

ネックになるのは、これだとトリックとは呼べないこと。阿笠博士の勘違いに惑わされているだけの展開になってしまいます。とはいえ、すべての盆に血の跡をつけたからにはどれかは本物で、最も怪しいのは遠島さんの盆なのも確か。

ほかに気になったのは、蝶野さんの「自分の持ってきた盆を酷評されたとか」というセリフ。盆以外の恨みを持っている人の犯行を主張しているのに、このセリフはおかしいような。堆黒盆以外の盆という意味なのか、あるいは難聴なのか。

聞こエンジェルの行方もわかりませんし、展開はこれから二転三転すると思います。

 

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3 件のコメント

  • 遠見の角に好手あり。

    意味は「自陣で角が睨みを利かせてる」です。
    普通に考えると羽田浩司は「僕の仲間が近くで睨みを利かせてる」と遠回しに言ってたように思えます。

    さらに「それでも僕を殺すというんですか?」という言葉と連動させると…。

    「僕の仲間が近くで睨みを利かせてる」
    「それが分かってても僕を殺すというんですか?」

    羽田浩司のあの余裕のある表情を見る限り
    自分を殺しに来る人間がいると分かってて待ち構えてたようにも見えます。
    そして仲間の存在を匂わすという事は殺しに来るであろうその人間を逃がそうとしてた…?

    もしもそうなら「馬鹿な奴」とは
    ・自分を逃がそうとした羽田の温情を見抜けなかった不甲斐なさ…。
    ・仲間がいると見抜けなかった自分への不甲斐なさ…。
    じゃないかな…?

    だとすると浩司と若狭は赤井と明美のような関係かもね…。
    あの駒は形見でもあるが戒めでもある複雑なお守りなのかも…。

  • 以前、工藤邸で会った時、制服姿だったからでしょう? スカート姿を披露しているのを、忘れていませんか?

    • ごめんなさい…これって世良ちゃんに対するコメントでしょうか?笑 もし私へのコメントだったら、それは理解した上での話です〜。わかりにくくてすみません。

      一応補足として説明させていただきます…!

      まず1035話の時点で、沖矢は知り合いのはずの世良を特定できてない体で話してます。このことから、沖矢はメットを被ってボーイッシュな服装をしてる世良に対し、本人を特定できる確固たる状況にならないまま玄関まで来たことが推理できます。だから沖矢に女の子だと断定されるのは世良からするとおかしいということ。

      で、実際に1036話で沖矢は後ろから声をかけて世良だと特定できないまま玄関まで来たことが明かされました。だから世良は沖矢を問い詰めたわけですね。もし世良が沖矢と明確に顔を合わせてるのにこの質問してるなら、おっしゃる通り(?)世良は制服姿を沖矢に披露したことを忘れてるんだと思います。

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    子供の頃にベルモットの変装トリックに騙されて以来、生粋のコナンファン。考察は「DEATH NOTE」などにも似た頭脳エンタメだと思います。読み物として面白くなるように「わかりやすさ」と「サプライズ」を大切にしています。本業も物書き。